子どもが学校に通っていると、学用品や給食費、部活動の費用など、毎月のように出ていくお金があります。

生活保護は8種類の扶助で構成されていて、そのうち学びに関わるのが教育扶助と生業扶助です。厚生労働省が定める「生活保護法による保護の基準」では、2026年9月時点で教育扶助の基準額が小学校等は月3400円、中学校等は月5300円と決められています。

この記事では、義務教育と高校それぞれで何がいくら支給されるのかを、厚生労働省の基準にそって確認します。

1. 生活保護の8つの扶助のうち、学びと就労にあたるのが教育扶助と生業扶助

生活保護には、生活扶助・住宅扶助・教育扶助・医療扶助・介護扶助・出産扶助・生業扶助・葬祭扶助の8種類があります。

このうち子どもの就学に関わるのが教育扶助と生業扶助の2つです。どこまでが対象になるのかは、生活保護法が範囲を定めています。

1.1 教育扶助が対象にするのは義務教育に伴う費用

生活保護法第13条は、教育扶助の範囲を3つに定めています。

  • 義務教育に伴つて必要な教科書その他の学用品
  • 義務教育に伴つて必要な通学用品
  • 学校給食その他義務教育に伴つて必要なもの

いずれも「義務教育に伴つて必要な」という条件が付いています。つまり教育扶助は小学校と中学校の段階を対象にした扶助です。

1.2 生業扶助は高校の就学と就労のための費用を対象にする

一方の生業扶助は、同法第17条で「生業に必要な資金、器具又は資料」「生業に必要な技能の修得」「就労のために必要なもの」の3つが範囲とされています。

高校の就学費用はこの「技能の修得」のなかに位置づけられていて、高等学校等就学費という名前で基準が設けられています。

2. 教育扶助の基準額は小学校等が月3400円、中学校等が月5300円

ここからは実際の金額を見ていきましょう。厚生労働省の「生活保護法による保護の基準」別表第2が教育扶助基準です。

2.1 基準額のほかに教材代・給食費・通学の交通費が支給される

教育扶助は、毎月定額で出る基準額と、実費で出るものの組み合わせになっています。

基準額は小学校等が月額3400円、中学校等が月額5300円です。これに加えて、学校長または教育委員会が指定する正規の教材の購入費、保護者が負担すべき学校給食費、通学に必要な最小限度の交通費が支給されます。

ここでいう小学校等には小学校のほか義務教育学校の前期課程と特別支援学校の小学部が、中学校等には中学校のほか義務教育学校の後期課程、中等教育学校の前期課程、特別支援学校の中学部が含まれます。

2.2 学習支援費は年間の上限額で決まっている

クラブ活動などにかかる費用は、学習支援費として別枠で用意されています。

年間上限額は小学校等が1万6400円以内、中学校等が5万9800円以内です。月額の基準額とは別に、年単位で上限が決められている点が特徴です。

教育扶助は月額の基準額と実費支給の組み合わせになっています1/2

教育扶助は月額の基準額と実費支給の組み合わせになっています

出所:厚生労働省「生活保護法による保護の基準」を参考にLIMO編集部作成

3. 高校の就学にかかるお金は生業扶助の高等学校等就学費から支給される

中学校を卒業したあとの費用は、教育扶助ではなく生業扶助に移ります。別表第7の生業扶助基準に、高等学校等就学費として項目が並んでいます。

3.1 基本額は月7300円、入学考査料は3万円以内

高等学校等就学費の基本額は月額7300円です。これとは別に、正規の授業で使用する教材の購入費、入学料、入学考査料3万円以内、通学に必要な最小限度の交通費が対象になります。

学習支援費の年間上限額は10万1000円以内で、義務教育の段階より高く設定されています。

3.2 生業扶助には高校の就学費以外の項目もある

生業扶助は高校の就学だけを対象にした扶助ではありません。生業費が4万7000円以内、高等学校等就学費を除く技能修得費が9万2000円以内、就職支度費が3万5000円以内と定められています。

働くための元手や資格取得の費用も、この扶助でまかなう仕組みです。

生業扶助は高校の就学費と就労のための費用の両方をカバーします2/2

生業扶助は高校の就学費と就労のための費用の両方をカバーします

出所:厚生労働省「生活保護法による保護の基準」を参考にLIMO編集部作成

熊谷 良子

教育扶助と生業扶助は、月額で出るものと実費で出るものが混ざっています。

金額の一覧だけを見て判断せず、どの費目が実費なのかを福祉事務所で書面にしてもらい、家族で共有しておくと確認しやすくなります。