人事院は2026年9月4日、「令和8年国家公務員給与等実態調査」の結果を公表しました。令和8年4月1日現在の人員と給与の実態をまとめた調査です。

第10表は、地域手当の支給区分ごとに人員を示しています。1級地は6万9683人で、俸給表の適用人員24万8729人の28.0%にあたります。

地域手当は勤務地によって支給割合が変わる手当です。この記事では、級地ごとに何人が働いているのかと、割合の違いが月額でどのくらいの差になるのかを確認します。

1. 国家公務員の地域手当、支給区分でいちばん多いのは1級地の6万9683人

第10表は、俸給表の適用人員を地域手当の支給区分別に分けた表です。まずは6つの区分にどう分かれているかを見ていきます。

1.1 24万8729人が6つの支給区分に分かれている

いちばん多いのが1級地の6万9683人で、構成比は28.0%です。次に多いのが非支給地の5万7722人で23.2%でした。

間の区分は、4級地3万7056人(14.9%)、5級地3万5818人(14.4%)、3級地2万6138人(10.5%)、2級地2万2312人(9.0%)の順に並びます。

1.2 支給区分がある地域に76.8%、非支給地に23.2%

1級地から5級地までを合わせると19万1007人で、全体の76.8%になります。残りの23.2%が非支給地の区分です。

級地の判定について、人事院は民間賃金の指数が全国平均の指数の100分の93.0以上であることを基本とすると示しています。地域の賃金水準を反映させるための手当という位置づけです。

6区分の人員と構成比、内数である異動保障等を受ける者を並べました。1級地には内数の欄がありません。1/2

地域手当の支給区分別人員

出所:人事院「令和8年国家公務員給与等実態調査報告書」をもとにLIMO編集部作成

2. 地域手当の支給割合は1級地の20%から5級地の4%まで

級地の区分がわかったところで、それぞれの支給割合を確認します。割合は級地が上がるほど高くなる仕組みです。

2.1 支給割合は給与法に定められ、東京都特別区は「月給の20%」

地域手当の支給割合は、一般職の職員の給与に関する法律第11条の3第2項に定められています。1級地が20%、2級地が16%、3級地が12%、4級地が8%、5級地が4%です。

東京都特別区は1級地にあたります。人事院は国家公務員の給与制度の概要で、東京都特別区に勤務する職員には月給の20%が地域手当として支給されると説明しています。

どの地域が何級地になるかは、同条第3項により人事院規則で定められます。割合は法律、地域は規則という組み合わせです。

2.2 調査が示す平均額は月4万5518円

同じ調査の概要では、全俸給表の平均給与月額43万9356円のうち、地域手当等が4万5518円と示されています。この地域手当等には、異動保障による地域手当と広域異動手当も含まれます。

ただしこれは非受給者も含めた全職員の平均です。級地ごとにどれだけ差が出るのかを見るには、支給割合を当てはめた計算が必要になります。

2.3 算定の基礎となる額を37万6799円とすると、1級地は7万5360円になる

地域手当の算定の基礎となる額は、給与法第11条の3第2項により、俸給、俸給の特別調整額、専門スタッフ職調整手当、扶養手当の月額の合計額と定められています。俸給だけではありません。

同じ調査の平均額を当てはめると、俸給35万6257円、俸給の特別調整額1万1889円、扶養手当8653円で、合計37万6799円になります。この額を基礎額として計算してみます。

この前提だと1級地は7万5360円、2級地は6万288円、3級地は4万5216円、4級地は3万144円、5級地は1万5072円という試算になります。1級地と5級地では月6万288円の開きが出ます。

3級地の4万5216円は、先に見た平均の4万5518円に近い水準です。ただし平均額を一律に当てはめた計算なので、個々の職員が実際に受け取る額とは一致しません。

支給割合に、調査の平均額から求めた基礎額37万6799円を掛けた月額の試算です。2/2

級地ごとの地域手当の月額試算

出所:e-Gov法令検索「一般職の職員の給与に関する法律」および人事院「令和8年国家公務員給与等実態調査報告書」をもとにLIMO編集部作成

3. 非支給地に区分されていても、地域手当を受け取っている人がいる

級地の区分と実際の受給者は完全に一致しません。第10表の注記にその理由が書かれています。

3.1 非支給地の内数として異動保障等を受ける者が1万3242人

非支給地の5万7722人のうち、1万3242人は異動保障等を受ける者として内数で示されています。支給地から非支給地へ異動した場合、一定期間は手当が保障される仕組みです。

なお列の名前は「異動保障等」で、異動保障のほかに何が含まれるかは公表資料からは確定できません。

3.2 級地の区分にも内数で2万4658人

異動保障等を受ける者は、2級地1608人、3級地7184人、4級地7367人、5級地8499人です。この4つを合わせると2万4658人になります。第10表には1級地の内数欄はありません。

ここに非支給地の1万3242人を加えると、内数の合計は3万7900人です。

3.3 第9表の受給人員20万8795人は、支給区分がある地域の人員を上回る

同じ調査の第9表では、地域手当の受給人員が20万8795人となっています。第10表で1級地から5級地までを合わせた19万1007人より多い数字です。

非支給地の欄に含まれる異動保障等を受ける者と、段階的な見直しにより令和8年度に1%の支給割合が適用される者が加わるためです。区分の名前だけで受給の有無を判断できない点は、注記まで読んでおきたいところです。

中本 智恵

額面が動くと社会保険料や税も一緒に動くため、手取りは同じ幅では増えません。