家賃が払えるかどうかは、暮らしを立て直すときの大きな分かれ目になります。
生活保護には、家賃にあてるための住宅扶助があります。上限額は全国一律ではなく、住んでいる地域と世帯の人数で決まる仕組みです。
この記事では、東京都を例に、住宅扶助の上限額が地域と世帯人員でどれだけ変わるのかを確認していきましょう。
1. 住宅扶助は上限の範囲で実際の家賃が支給される
金額を見る前に、住宅扶助がどういう仕組みなのかを押さえておきます。
1.1 上限額までは実際に払っている家賃が出る
住宅扶助は、決まった額が一律に配られるものではありません。
実際に払っている家賃が、上限額の範囲で支給されます。家賃が上限を下回っていれば、その家賃の額が支給される形です。
逆に家賃が上限を超えている場合は、超えた分は住宅扶助では出ません。
1.2 最低生活費の一部として計算される
生活保護は、国が定めた最低生活費と、その世帯の収入を比べて、足りない分を支給する仕組みです。
住宅扶助はその最低生活費を構成する一部になります。
食費や光熱費にあたる生活扶助とは別枠で計算されるので、家賃が高い地域ほど最低生活費も高くなります。
2. 東京都の上限額は級地と世帯人員で決まる
東京都福祉局が示している住宅扶助の上限額を見ていきます。同じ都内でも3つの級地に分かれています。
2.1 1級地は単身5万3700円から7人以上8万3800円まで
1級地は、特別区23区の全域と、羽村市・あきる野市を除く24市です。
上限額は単身で5万3700円、2人で6万4000円、3人から5人で6万9800円です。
6人で7万5000円、7人以上で8万3800円になります。
2.2 2級地と3級地は単身で1万円前後低い
2級地は羽村市・あきる野市・瑞穂町で、単身の上限は4万5000円です。
3級地は日の出町・檜原村・奥多摩町と島しょの町村部で、単身の上限は4万900円になります。
1級地の5万3700円と3級地の4万900円を比べると、差は1万2800円です。同じ東京都のなかでも、住んでいる場所によって家賃にあてられる額が変わります。
3. 単身世帯は部屋の広さでも上限が下がる
単身世帯には、世帯人員とは別にもう1つの区分があります。床面積による上限です。
3.1 15平方メートル以下だと3段階に分かれる
床面積が15平方メートル以下の単身世帯には、広さに応じた上限額が適用されます。
1級地の場合、10平方メートル超15平方メートル以下で4万8000円、6平方メートル超10平方メートル以下で4万3000円、6平方メートル以下で3万8000円です。
2級地は4万1000円から3万2000円、3級地は3万7000円から2万9000円の範囲になります。
3.2 適用しない取り扱いもある
床面積による減額は、必ず適用されるわけではありません。
東京都の資料には、自立助長の観点からその住居への居住が必要と認められる場合などには、床面積別の上限額を適用しないという取り扱いが示されています。
判断するのは福祉事務所なので、部屋が狭いからと自分で結論を出す前に確かめておきたいところです。
住宅扶助は上限額だけが独り歩きしがちですが、実際には契約更新の時期や部屋の状況で扱いが変わります。数字を当てはめて自分で結論を出す前に、福祉事務所に一度確かめてみてください。
