日の入りが早まり、これからの暮らしをじっくり考えたくなる季節です。50〜60歳代のおひとりさまにとって、定年後のお金は避けて通れないテーマです。
この年代は、お金の役割が「増やす」から「使う」へと切り替わる分かれ目にあります。切り替えを意識せずに定年を迎えると、せっかくの蓄えを活かしきれません。
この記事では、50〜60歳代・単身世帯の平均と中央値を確認し、「増やす」から「使う」へ滑らかに移行するための設計を考えていきます。
1. 【50〜60歳代おひとりさまの平均貯蓄額】中央値はいくらか?
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、単身世帯の金融資産保有額は次のとおりです。
※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。
1.1 50歳代単身世帯の貯蓄額(平均・中央値)
- 50歳代単身世帯:平均999万円/中央値120万円
まだ現役で、運用でお金を「増やす」力が残っている年代です。
1.2 60歳代単身世帯の貯蓄額(平均・中央値)
- 60歳代単身世帯:平均1364万円/中央値300万円
年金の受け取りが始まり、蓄えを「使う」段階へ移っていく年代です。
1.3 金額帯でみる、まとまった蓄えのある層
「1500万円以上」を持つ人の割合は、50歳代で19.2%、60歳代で25.2%。60歳代では、およそ4人に1人が1500万円以上を築いています。
まとまった蓄えを持つ人ほど、次に問われるのは「どう使うか」です。増やす局面から使う局面へ、静かに舵を切る準備が必要になります。