30代女性のAさんは、学生時代から時間を守れない・忘れものが多い・生活リズムが乱れるといった行動が目立っていました。しかし、本人や周囲は「少し変わった子」「のんびり屋さん」と、捉えていたようです。

ところが、就職後は遅刻や居眠り、ミスの連続といった問題が多発し、最終的には大きなミスをきっかけに退職。その後も職を転々としましたが、失敗の多さが原因で5回も職を失いました。

ここでようやく病院を受診し、「ADHD」であることが判明します。子どもの頃は「ちょっと変わってるね」で済まされていたものが、職場では「重大なミス・問題」となってしまう場合もあります。20代後半になって初めて自分の発達障害を知ったのです。

また、女性は「気が利く」というイメージを持たれることもあります。「言わなくても分かるよね」と思われている場合も多く、上司や先輩から具体的な指示を得られず戸惑うことも。「そんなこともできないのか」と注意されるケースもあるようです。

しかしAさんは、ADHDの診断を受けてから自分に合った薬を服用したり、自助活動グループに参加したりと、新たな一歩を踏み出しました。Aさんのように生きづらさを感じている方は、病院で一度相談してみるといいでしょう。自分の特徴を理解することで、それにあった対処法や相談先が見つかるかもしれません。

「生きづらさ」によりひきこもりになるケースも