値上げが続くなかで「生活費が多くなって貯蓄に回せない」と感じている方もいるのではないでしょうか。それでも貯蓄がある状態は、老後や子どもの教育費に向けた安心材料になります。
住んでいる地域によって平均年収が違えば、平均貯蓄額も変わってきます。総務省統計局が2026年5月19日に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年平均結果」では、都道府県庁所在市ごとの貯蓄と年間収入が確認できます。
この記事では、47の都道府県庁所在市の平均貯蓄額と平均年間収入をランキングで紹介します。自分の住む地域がどのくらいの水準なのか、貯蓄を考えるうえでの参考にしてください。
1. 47都道府県庁所在市の平均貯蓄ランキングTOP10
まずは総務省統計局の「家計調査報告(貯蓄・負債編)」から、二人以上の世帯の平均貯蓄額を見ていきましょう。都市階級・地方・都道府県庁所在市別の表8-1を使います。
貯蓄ランキングのTOP10は次のとおりです。
- 1位:千葉市:2951万円
- 2位:東京都区部:2924万円
- 3位:横浜市:2614万円
- 4位:さいたま市:2595万円
- 5位:大津市:2419万円
- 6位:奈良市:2359万円
- 7位:京都市:2289万円
- 8位:名古屋市:2273万円
- 9位:宇都宮市:2248万円
- 10位:長野市:2232万円
全国の平均貯蓄額は2059万円です。ランキング上位の市は全国平均より170万円から890万円ほど多い結果となりました。
一方で、もっとも平均貯蓄が少なかったのは那覇市の777万円でした。1位の千葉市とは約3.8倍の差があります。
平均貯蓄が少ない市は次のとおりです。
- 那覇市:777万円
- 青森市:1194万円
- 鹿児島市:1275万円
- 新潟市:1360万円
- 札幌市:1414万円
関東地方や近畿地方の市で比較的貯蓄が多い一方、九州地方や北海道地方では少ない市が目立ちます。地方別に見ても関東地方が2515万円で最も多く、沖縄地方が699万円で最も少ない結果でした。
平均貯蓄額が多い都道府県庁所在市TOP10を、年間収入とあわせて並べた一覧1/2
出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果-(二人以上の世帯)」を参考にLIMO編集部作成
2. 47都道府県庁所在市の平均年間収入ランキングTOP10
前章では平均貯蓄の多い市をランキングで見ました。では、貯蓄の多い市は同じように収入も多いのでしょうか。
同じ調査による年間収入のランキングは次の結果でした。
- 1位:東京都区部:905万円
- 2位:さいたま市:842万円
- 3位:千葉市:797万円
- 4位:名古屋市:786万円
- 5位:広島市:781万円
- 6位:山形市:765万円
- 7位:横浜市:742万円
- 8位:富山市:729万円
- 9位:松山市:719万円
- 10位:福島市:714万円
全国の平均年間収入は681万円です。ランキング10位の福島市でも全国平均を33万円上回る水準でした。
もっとも年間収入が少なかったのは、貯蓄額と同じく那覇市の526万円です。1位の東京都区部との差は379万円になります。
年間収入が少ない市は那覇市526万円、青森市530万円、長崎市537万円、札幌市570万円、宮崎市572万円でした。
平均年間収入が多い都道府県庁所在市TOP10を、貯蓄額とその順位とあわせて並べた一覧2/2
出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果-(二人以上の世帯)」を参考にLIMO編集部作成
3. 各都道府県庁所在市の貯蓄額と年収から見えてくること
2つのランキングを並べると、貯蓄の多い市と年間収入の多い市は一致していませんでした。
貯蓄TOP3の千葉市、東京都区部、横浜市は年間収入でも上位に入っています。収入から貯蓄を堅実に積み上げている世帯が多いことがうかがえます。
一方で、貯蓄6位の奈良市は年間収入が600万円で、全国平均681万円を81万円下回っていました。収入が平均以下でも貯蓄が上位に入る市があるということです。
逆の例もあります。年間収入9位の松山市は719万円で全国平均を上回りますが、貯蓄は1526万円で47市中39位でした。年間収入5位の広島市も、貯蓄は18位の1972万円です。
単に年収が多いほど貯蓄額が多くなるとは限らない、という結果になりました。
「収入が増えれば貯蓄も増える」とは一概に言えないことから、貯蓄を考える上では「収入・支出」のコントロールが重要であることがうかがえます。
また、今回ご紹介した統計は「二人以上世帯」を対象にしたものであるため、単身世帯には当てはまりません。さらに家族構成や子どもの有無、年齢などによっても、家計の状況は大きく異なると言えるでしょう。
元自治体職員として国民健康保険の保険料を計算していた頃は、同じ所得でも世帯の人数や年齢の構成で保険料が変わることを説明する機会が多くありました。
地域ごとの平均を見るときも、収入だけでなく世帯の形を合わせて見る必要があると感じています。
