今年も残り約4カ月。この時期になると1年を振り返り始め、来年に向けた貯蓄の計画を考える方もだんだんと出てくるでしょう。
総務省の家計調査によると、二人以上の世帯の貯蓄現在高は全国平均で2059万円(2025年)。前年より75万円増え、比較できる2002年以降でもっとも高い水準になりました。負債を差し引いた純貯蓄額でみても、増加が続いています。
ただ、この「平均2059万円」は全国をならした数字です。実際には、住んでいる地域によって金額は大きく変わります。今回は都道府県庁所在市別のランキングから、それぞれの都道府県をみていきましょう。あわせて、負債を引いた「純貯蓄額」でも並べ直してみます。
平均より多いか少ないか、気になりますよね。ただ、平均は住む地域や家族構成でずいぶん変わります。
まずは同じ条件のデータで、自分の街の位置を確かめるところから始めましょう。
1. 【平均貯蓄額の一覧表】全国平均2059万円「都道府県別」でいくらになる
使用するのは総務省「家計調査(貯蓄・負債編)」の2025年平均です。ここでの貯蓄は、預貯金だけでなく生命保険や有価証券なども含めた金額を指します。
地域は都道府県庁所在市(各都道府県の代表都市)ごとに出ています。全国の代表値として、あなたの街に近い都市を探してみてください。
都道府県庁所在市別 貯蓄現在高ランキング(二人以上の世帯・2025年)1/2
出所:総務省統計局「家計調査 貯蓄・負債編 詳細結果表」第8-1表 都市階級・地方・都道府県庁所在市別(二人以上の世帯)をLIMO編集部作成
1位は千葉市の2951万円。次いで東京都区部2924万円、横浜市2614万円と続きます。上位には大都市圏の都市が目立ちます。
全国平均の2059万円を上回ったのは、47市のうち17市でした。さいたま市2595万円、大津市2419万円、奈良市2359万円、京都市2289万円などが並びます。17市目の松江市は2071万円で、全国平均を12万円上回るぎりぎりの位置でした。
いっぽう、金額が控えめなのは那覇市777万円、青森市1194万円、鹿児島市1275万円など。1位の千葉市と47位の那覇市では、2174万円の開きがありました。
1.1 全国平均2059万円は、どう読めばよいか
平均は、貯蓄の多い世帯に引き上げられやすい数字です。実際には、平均を下回る世帯のほうが多いことも珍しくありません。
それを確かめる手がかりが「中央値」です。貯蓄を金額順に並べたとき、ちょうど真ん中にくる世帯の額で、2025年は1264万円(前年は1189万円)でした。平均2059万円との差は800万円ほど。平均と中央値を並べると、自分の位置を落ち着いて見られます。
それでも、同じ調査・同じ二人以上の世帯という条件でそろえた地域比較は、自分の位置をつかむ手がかりになります。まずは近い都市の金額を、ひとつの目安にしてみてください。
1.2 貯蓄2059万円の中身をほどく
全国平均2059万円の内訳もみておきましょう。もっとも多いのは通貨性預貯金の710万円、次いで定期性預貯金の511万円です。
すぐ動かせるお金と、当面使わないお金を合わせた預貯金が、全体の6割近くを占めます。手元の安心を厚めに置く家庭が多いことがうかがえます。
そのほかは、生命保険などが369万円、株式や投資信託などの有価証券が440万円です。有価証券のうち株式は218万円、投資信託は179万円でした。前年より有価証券が増えており、値動きのある資産に一部を回す動きもみられます。
預貯金に厚みを持たせつつ、一部を保険や投資に振り分ける。これが平均的な家計の姿といえます。自分の内訳と重ねると、見直せる部分が見えてきます。
1.3 この記事で使ったデータについて
今回の数字は、家計調査の「詳細結果表」の第8-1表を使っています。全国の平均だけをまとめた概要とは違い、都市階級・地方・都道府県庁所在市別まで細かく載っている表です。地域ごとの金額を比べたいときは、この詳細結果表が必要になります。
ひとつ気をつけたいのは、標本の大きさです。集計のもとになった世帯数は、全国では5455世帯ですが、都道府県庁所在市ごとにみると49〜190世帯ほどにとどまります。数が限られるぶん、順位はきっちりした序列というより、大まかな目安として受け止めるのが安全です。
それを踏まえたうえで、次のページでは負債を差し引いた「純貯蓄額」で並べ直し、順位がどう動くかをみていきます。
