4. 住民税非課税世帯は世帯全員が非課税であること

ここまでは個人の判定でしたが、給付や減免で使われる「住民税非課税世帯」は世帯の話です。

4.1 1人でも課税されていれば非課税世帯にならない

内閣官房は、2023年度の給付金の対象を示す資料で、住民税非課税世帯を「所得割及び均等割の両方で非課税となっている方のみで構成される世帯」としています。同じ世帯に課税されている方が1人でもいれば当てはまりません。

自分だけを見て判定できないという点が、個人の非課税と違うところです。

4.2 「均等割のみ課税世帯」という区分もある

同じ資料では、住民税均等割のみ課税世帯を「所得割が非課税となっている方のみで構成される世帯」としています。世帯の全員が所得割非課税で、そのうち少なくとも1人に均等割がかかる世帯が当てはまります。

世帯全員が均等割を払っている必要はありません。1人でも均等割がかかっていれば、住民税非課税世帯ではなくこちらの区分になります。

東京23区で合計人数2人なら、合計所得金額が101万円を超えて112万円以下の帯がこれに当たります。あと少しで非課税だったという場合が起こりやすいところです。

4.3 1月1日時点の住所地で判定される

個人住民税の所得割と均等割は、1月1日現在にその市区町村に住所がある方が課税の対象です。

年の途中で引っ越しても、その年度の住民税は1月1日時点の住所地が課税します。限度額も1月1日時点の市区町村のものが使われます。

5. 給与所得控除の速算表から収入に換算する

合計所得金額を収入に置き換えるには控除額の表を見ます。

5.1 190万円以下なら65万円

東京都主税局の速算表によると、給与所得控除額は収入190万円以下で65万円、190万円超360万円以下で収入金額×30%+8万円です。

360万円超660万円以下は収入金額×20%+44万円、660万円超850万円以下は収入金額×10%+110万円、850万円超は195万円と定額になります。

5.2 公的年金は公的年金等控除を引く

公的年金は雑所得として扱われ、公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を引いた額が所得になります。

給与と年金の両方がある場合は、それぞれの所得を計算して合算します。収入の種類によって引ける控除が違いますので、収入額だけで比べると判定を誤ります。

5.3 65歳以上は年金から特別徴収される

65歳以上の公的年金受給者で個人住民税を納税している方は、公的年金から特別徴収されます。

非課税になれば天引きもなくなりますので、通知書で自分の区分を確かめておくとよいでしょう。

6. 確かめておきたい3つのこと

自分の場合に当てはめるための手立てをまとめます。

6.1 自分がどの区分に当てはまるかを見る

生活扶助を受けているか、障害者・未成年者・寡婦・ひとり親に当てはまるか、それ以外かで見る数字が変わります。

2つ目の区分に当てはまる場合は135万円というラインで判定できます。ただし扶養親族が2人以上いると非課税限度額のほうが高くなりますので、両方を計算して有利なほうで見てください。

6.2 世帯全員の状況をそろえて見る

住民税非課税世帯は、所得割も均等割も非課税の方のみで構成される世帯です。同居している家族の課税状況もあわせて確認してください。

6.3 限度額は市区町村に確認する

非課税限度額のうち均等割にかかる部分は、生活保護の級地区分によって市区町村ごとに変わります。この記事の45万円と35万円×合計人数+31万円は、1級地である東京23区の額です。

扶養親族がいない場合の均等割の限度額は、2級地なら41万5000円、3級地なら38万円と下がります。一方、所得割にかかる45万円と35万円×合計人数+42万円は全国一律です。

自分の住んでいる市区町村の額は、税務担当の窓口や公式サイトで確認できます。判定に迷うときも窓口に相談してください。

7. 所得だけで決まるわけではない

住民税が非課税になるのは、生活保護法による生活扶助を受けている方、障害者・未成年者・寡婦またはひとり親で前年中の合計所得金額が135万円以下の方、所得が非課税限度額以下の方の3つです。

東京23区の限度額は、扶養親族がいなければ45万円以下、いる場合は35万円×合計人数+31万円以下です。2人なら101万円、3人なら136万円、4人なら171万円になります。

住民税非課税世帯は、所得割も均等割も非課税の方のみで構成される世帯です。まず自分がどの区分で判定されるのかを確かめ、そのうえで世帯全員の課税状況を見てください。

参考資料

中本 智恵