夫や妻に対して、日ごろから不満を抱えている人も少なくないはず。なかには、「離婚」という選択肢が思い浮かんでいる方もいるのではないでしょうか。

とはいえ、一方で「こんなことで離婚をしてもいいのだろうか」「離婚が子どもに与える影響はないのか」という悩み。そこで今回は、離婚の動機や、離婚が子どもに与える影響について考えてみましょう。

夫と妻、それぞれの離婚理由…

離婚に踏み切るには、相当な覚悟が必要なはず。その後押しとなったのは、どのような動機があったのでしょうか。司法統計の「平成30年度 婚姻関係事件数」をもとに、夫と妻それぞれ離婚の動機をみてみましょう。

【夫からの申立】
1位:性格が合わない
2位:その他
3位:精神的に虐待する
4位:異性関係
5位:家族親族と折り合いが悪い

【妻から申立】
1位:性格が合わない
2位:生活費を渡さない
3位:精神的に虐待する
4位:暴力をふるう
5位:異性関係

内容や順序に違いはあるものの、1位は夫婦ともに「性格の不一致」でした。お互いの歩み寄りや努力だけでは、どうにもならない部分があるのかもしれません。

定年離婚を視野に入れている人も

お互いの性格が合わない、一緒にいたいと感じないものの、なかなか離婚を決意できない人も少なくありません。なかには「今すぐではなく、定年離婚をしよう」と考えているケースも珍しくないようです。

ここで、明治安田生活福祉研究所が1万2,000人の男女に実施した「人生100年時代の結婚に関する意識と実態」をみてみましょう。

調査の結果、男女(40~64歳)のなかで「定年を機に離婚しようと考えたことがある」と回答した割合は以下の通りとなっています。

子どもがいる既婚男性…19.6%
子どもがいない既婚男性…11.1%
子どもがいる既婚女性…28.1%
子どもがいない既婚女性…13.3%

こうみると、男性よりも女性のほうが、子どもがいない人よりもいる人のほうが、離婚を考えている傾向にあるようです。経済面や子どもの精神面を考慮し、離婚のタイミングを見計らっているのかもしれません。

続いて、定年離婚を視野に入れている理由もみてみましょう。

【男性】
1位…「配偶者からの愛情、配偶者への愛情を感じないから」(37.6%)
2位…「退職後に毎日配偶者と家で一緒に生活するのは耐えられない」(27.8%)
3位…「性格・価値観の不一致に耐えられなくなった」(27.4%)

【女性】
1位…「退職後に毎日配偶者と家で一緒に生活するのは耐えられない」(45.1%)
2位…「性格・価値観の不一致に耐えられなくなった」(33.2%)
3位…「配偶者からの愛情、配偶者への愛情を感じないから」(30.2%)

これまでは仕事で顔を合わす時間が短かったものの、定年後は長時間共に過ごすことになる…。そう思うだけで、うんざりする人が少なくないようです。

また、離婚の動機の1位である「性格の不一致」に耐え続けている人も。「定年までの我慢だ」と割り切っているのかもしれませんね。

離婚家庭の子どもはダメなのか