生活保護を受けることになったとき、国民年金の保険料はどうすればよいのでしょうか。納められないまま放っておくと未納になるのか、気になるところです。

日本年金機構によると、生活保護の生活扶助を受けている方は「法定免除」の対象です。令和8年度の国民年金保険料は月1万7920円で、届出をすればこの保険料を納めることを要しないものとされます。

この記事では、法定免除の対象と届出、免除された期間が老齢基礎年金にどう反映されるのかを確認します。

1. 生活保護の生活扶助を受けている方は国民年金保険料の法定免除の対象になる

国民年金の保険料には、申請して承認を受ける免除とは別に、要件に当てはまれば免除される「法定免除」があります。

日本年金機構は法定免除の対象を3つ挙げており、そのひとつが生活保護の生活扶助を受けている方です。

1.1 法定免除の対象は3つある

ひとつ目が生活保護の生活扶助を受けている方、ふたつ目が障害基礎年金ならびに被用者年金の障害年金(2級以上)を受けている方です。

3つ目は、国立ハンセン病療養所などで療養している方とされています。

1.2 免除は生活保護を受け始めた日を含む月の前月の保険料から始まる

生活扶助を受けている方の場合、生活保護を受け始めた日を含む月の前月の保険料から免除になります。

障害年金を受けている方は認定された日を含む月の前月から、ハンセン病療養所などで療養している方は療養が始まった日を含む月の前月からと、対象ごとに起点が定められています。

1.3 届出は市区役所・町村役場の国民年金担当窓口に出す

提出するのは「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」です。住民登録をしている市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口が届出先になります。

用紙は窓口に備え付けられているほか、日本年金機構のホームページからもダウンロードできます。

法定免除の3つの対象と、免除が始まる月1/2

法定免除の3つの対象と、免除が始まる月

出所:日本年金機構「国民年金保険料の法定免除制度」を参考にLIMO編集部作成

2. 法定免除の期間は老齢基礎年金の受給資格期間に算入される

保険料を納めない期間ができることに不安を感じる方は少なくありません。免除と未納では、扱いが大きく異なります。

2.1 納付済期間と免除期間の合算が10年以上あれば老齢基礎年金を受け取れる

国民年金法第26条は、老齢基礎年金は保険料納付済期間または保険料免除期間を有する方が65歳に達したときに支給すると定めています。

ただし、保険料納付済期間と保険料免除期間を合算した期間が10年に満たないときは支給しないとも書かれています。法定免除の期間は、同法第5条第3項が定める保険料全額免除期間にあたります。

2.2 未納のままにした期間は受給資格期間に入らない

日本年金機構は、老齢基礎年金の受給資格期間への算入について、納付と全額免除は「あり」、未納は「なし」と整理しています。

届出をせずに未納のままにした場合と、届出をして免除を受けた場合とでは、この点で差が出ます。

3. 法定免除の期間は老齢基礎年金の年金額に2分の1が反映される

受給資格期間に算入されるだけでなく、年金額にも一定の割合が反映されます。

3.1 平成21年4月以降の期間は1カ月を2分の1で計算する

日本年金機構は、法定免除の期間についての老齢基礎年金の額は、平成21年3月以前の期間は1カ月を3分の1、平成21年4月以降の期間は1カ月を2分の1で計算すると説明しています。

納めていない期間であっても、国庫負担にあたる分は年金額に反映されるという考え方です。

3.2 40年納付なら年84万7300円、40年全額免除なら年42万3650円になる

日本年金機構は、昭和31年4月2日以後生まれの方について、1年で受け取れる老齢基礎年金のめやすを示しています。40年納付した場合は84万7300円です。

40年が全額免除となった場合は、国庫負担2分の1で算出して42万3650円とされています。両者の差は年42万3650円です。

熊谷 良子

法定免除は届出をして初めて記録に残ります。生活保護の手続きとは窓口が分かれることもあるので、届書を出した日付を控えておくと、あとから記録を確かめるときに役立ちます。