3. 65歳以上の就業者数は930万人で21年連続の増加

人数の面からも見ておきます。

3.1 就業者総数の13.7%を占める

総務省統計局によると、2024年の65歳以上の就業者数は930万人で、21年連続の増加です。就業者総数に占める割合は13.7%で、前年から0.2ポイント上がりました。

働いている人のおよそ7人に1人が65歳以上ということになります。

3.2 男性538万人、女性391万人

内訳は男性が538万人、女性が391万人です。2014年は男性416万人、女性267万人でしたので、女性の伸びのほうが大きくなっています。

また、65歳以上の役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は76.9%です。

4. 2026年4月改正!働きながら年金をもらう「在職老齢年金」の仕組み

日本年金機構の案内によると、令和7年の年金制度改正法に基づき、今年(2026年・令和8年)4月からこの基準額が大幅に引き上げられました。

これまで、60歳以上の方が厚生年金保険に加入しながら働く場合、賃金と年金の合計額が「月51万円」を超えると年金が減らされていました。しかし、今回の改正により、この基準額が「月65万円」へと変更されたのです。

具体的には、「基本月額(年金)」と「総報酬月額相当額(毎月のお給料とボーナスを足して1カ月あたりにならした金額)」の合計が65万円を超えなければ、年金は全額支給されることになります。

具体的な計算のシミュレーション例

たとえば、受け取る年金の基本月額が10万円で、給与などの総報酬月額相当額が46万円だったとします。改正前であれば、合計56万円となり基準の51万円を超えてしまうため、超過分(5万円)の半額である2万5000円の年金が支給停止となり、受け取れる年金は7万5000円に減額されていました。

しかし、2026年4月以降は基準額が65万円となったため、合計56万円なら基準を下回ることになり、年金10万円がそのまま「全額支給」されます。

この改正により、「働きすぎると年金が減ってしまう」という就業意欲の低下(いわゆる働き損)が解消され、より多くのシニアが収入を気にせずしっかり働ける環境が整いました。なお、この65万円という基準額は毎年度の賃金変動に応じて改定されます。

5. 確かめておきたい3つのこと

働きながら年金を受け取るときに手元で確認できることをまとめます。

5.1 基本月額と総報酬月額相当額を出してみる

基本月額は加給年金額を除いた老齢厚生年金(報酬比例部分)の年額を12で割った額です。総報酬月額相当額は毎月の賃金に1年間の賞与を12で割った額を足したものになります。

この2つを足して65万円と比べると、支給停止の対象になるかどうかが見えてきます。

5.2 老齢基礎年金は別に数える

合計に入れるのは老齢厚生年金の基本月額です。老齢基礎年金を足して計算すると、実際より高く出てしまいます。

5.3 年金事務所で自分の場合を確かめる

共済組合等からも老齢厚生年金を受け取っている場合は、すべてを合わせて計算します。仕組みが分かりにくいときは、年金事務所や街角の年金相談センターで確認できます。

6. 65歳から69歳はおよそ2人に1人が働いている

総務省統計局によると、2024年の65歳以上の年齢階級別就業率はいずれも過去最高で、65歳から69歳は53.6%、70歳から74歳は35.1%、75歳以上は12.0%です。65歳以上の就業者数は930万人で21年連続の増加になりました。

同じ年代の厚生年金の平均月額は、65歳から69歳で15万1753円、70歳から74歳で14万7730円です。

令和8年4月から在職老齢年金の基準額は51万円から65万円になりました。働き方を決める前に、自分の基本月額と賃金を足していくらになるかを確かめておきましょう。

参考資料

村岸 理美