4. いまの遺族基礎年金は年84万7300円に子の加算額を足した額
増額前の水準も押さえておきます。
4.1 生まれた年で基本額が分かれる
日本年金機構によると、子のある配偶者が受け取るときの遺族基礎年金の額は、令和8年4月分から昭和31年4月2日以後生まれの方が84万7300円、昭和31年4月1日以前生まれの方が84万4900円です。
これに子の加算額が足されます。
4.2 子2人なら133万4900円
昭和31年4月2日以後生まれの方で子が1人なら109万1100円、子が2人なら133万4900円になります。子が3人なら141万6200円です。
3人目以降の加算額は各8万1300円と下がりますので、人数に比例して増えるわけではありません。
5. 遺族基礎年金を受け取れるのは子のある配偶者と子
加算額の話に入る前提として、対象者も確認しておきます。
5.1 父母や孫は対象にならない
日本年金機構によると、遺族基礎年金を受け取れるのは子のある配偶者と子です。父母や孫、祖父母は対象になりません。
遺族厚生年金では父母・孫・祖父母も順位に入りますので、範囲が異なります。
5.2 子の年齢に上限がある
ここでいう子とは、18歳になった年度の3月31日までにある方、または20歳未満で障害年金の障害等級1級か2級の状態にある方をさします。
子がこの年齢を超えると子のある配偶者ではなくなるため、遺族基礎年金は受け取れなくなります。加算額の増額も、この期間の話になります。
6. 見直しは令和7年6月に成立した法律に定められている
いつ決まった内容なのかも確認しておきます。
6.1 2028年4月施行予定
厚生労働省は、法律では遺族厚生年金の見直しは2028年4月施行予定であるとしています。
この法律は令和7年5月16日に「社会経済の変化を踏まえた年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する等の法律案」として第217回通常国会に提出され、衆議院で修正のうえ6月13日に成立しました。
6.2 影響を受けない方も示されている
厚生労働省は、見直しによって影響を受けない方として4つを挙げています。すでに遺族厚生年金を受給している方、60歳以降に受給権が発生する方、18歳年度末までのこどもを養育する間にある方の給付内容、2028年度に40歳以上になる女性です。
子どもを養育している間は、この3つ目に当たります。
7. 確かめておきたい3つのこと
見直しの内容を自分の家庭に当てはめるときの手立てをまとめます。
7.1 子どもの年齢で区切りを確認する
現行制度と同じ扱いになるのは、こどもが18歳年度末になるまでです。まず子どもが何年度に18歳を迎えるかを確かめておくと、区切りが見えてきます。
7.2 遺族厚生年金とあわせて受け取れるか確認する
日本年金機構は、遺族基礎年金について、遺族厚生年金を受給できる遺族の方はあわせて受給できるとしています。どちらか一方を選ぶ制度ではありません。
両方の要件を満たすかどうかは、亡くなった方の加入記録によって決まります。
7.3 年金事務所で自分の場合を確かめる
見直しの内容は法律に定められていますが、施行は2028年4月の予定です。いまの時点で受け取れる額は現行制度で決まります。
自分の場合にいくらになるかは、年金事務所や街角の年金相談センターで確認できます。請求の前に相談してみてください。
8. 遺族基礎年金の子の加算額は年間28万円に増える
厚生労働省によると、遺族厚生年金の見直しにあわせて、遺族基礎年金の「こどもがいる場合の加算額」が年間約23万5000円から28万円に増額されます。
18歳年度末までのこどもがいる場合、こどもが18歳年度末になるまでは現行制度と同じで、見直しの影響はないとされています。こどもが18歳になった後は、さらに5年間、増額された有期給付と継続給付の対象になります。
見直しは2028年4月施行予定です。いま受け取れる額は現行制度で決まりますので、自分の場合は年金事務所で確かめておきましょう。
参考資料
村岸 理美