4. 知っておきたい注意点。境目をわずかに超えると段階が上がることも
所得段階の仕組みには、金額の境目付近にいる人が気をつけておきたいポイントもあります。
4.1 ちょうど120万円がひとつの分かれ目に
今回の試算で扱った年金月額10万円(年120万円)は、世帯全員が住民税非課税の場合、第2段階の上限(年金収入等120万円以下)にちょうど該当する金額です。仮に年金額がこれよりわずかに増えて120万円を超えると、第3段階(乗率0.685)に上がり、保険料はさらに高くなります。年金額が増えて手取りが増えたつもりが、保険料の上昇分でその一部が相殺されてしまうケースもあるため、境目付近の人は注意しておきたいところです。
4.2 保険料額は市区町村ごとに異なる。正確な金額は通知書で確認を
ここまでの試算はあくまで全国加重平均の基準額をもとにした概算です。実際の基準額や各段階の細かい所得区分は市区町村が条例で独自に定めており、地域によって差があります。ご自身の正確な保険料額は、毎年6月から7月頃に送付される「介護保険料額決定通知書」や、市区町村の窓口・ホームページで確認できます。
5. まとめ
介護保険料は、市区町村ごとの基準額に、住民税の課税状況と年金収入等の金額で決まる「所得段階」の乗率を掛け合わせて算出されます。全国加重平均は月6225円ですが、年金月額10万円の人でも、世帯全員が住民税非課税なら月3019円程度、世帯に課税者がいれば基準額そのものの月6225円程度と、条件によって金額は大きく変わります。
ご自身の保険料がいくらになるかは、年金額だけでなく同居する家族の住民税課税状況も関わってきます。届いた「介護保険料額決定通知書」を確認し、自分がどの段階に該当しているのかを一度チェックしてみましょう。
参考資料
- 厚生労働省老健局介護保険計画課「第9期計画期間に向けた第1号保険料に関する検討について(見直し内容及び諸係数)」
- 厚生労働省老健局介護保険計画課「介護保険料等における基準額の調整について」(社会保障審議会介護保険部会(第116回)資料5)
- 日本年金機構「年金から介護保険料・国民健康保険料(税)・後期高齢者医療保険料・住民税および森林環境税を特別徴収されるのはどのような人ですか。」
- 厚生労働省「介護保険の保険料(第1号被保険者)」
和田 直子
