5. 保険料の納付状況で給付額はどう変わる?月額・年額の試算

ここまで見てきた基準額(月5620円)は、あくまで保険料をすべて納付した場合の金額です。実際の給付額は、これまでの保険料の納付状況によって一人ひとり異なります。

5.1 計算のもとになる2つの式

老齢年金生活者支援給付金の給付額は、「保険料納付済期間に基づく額」と「保険料免除期間に基づく額」の合計で決まります。保険料納付済期間に基づく額は、基準額の5620円に保険料を納めた月数を掛けて480月(40年)で割って求めます。保険料免除期間に基づく額は、全額免除・4分の3免除・半額免除の期間であれば月額1万1768円、4分の1免除の期間であれば月額5884円を基準に、それぞれの免除月数を480月で割って計算します。

5.2 納付状況別に試算。免除期間がある人のほうが多くなることも

この計算式にいくつかの納付パターンを当てはめて試算すると、下記のようになります。

保険料の納付状況別に見る、老齢年金生活者支援給付金の給付額(月額・年額)試算表6/6

保険料の納付状況別に見る、老齢年金生活者支援給付金の給付額(月額・年額)試算表

LIMO編集部作成

注目したいのは、25年(300月)の納付済期間に10年(120月)の全額免除期間を組み合わせたケースです。年額は7万7460円となり、40年間フルに保険料を納付した場合の年額6万7440円を上回ります。保険料免除期間に基づく額の単価(1万1768円)が、納付済期間分の単価(5620円)よりも高く設定されているため、免除期間の長さや組み合わせ方によっては、フル納付よりも給付額が大きくなることがあるのです。

和田直子
「保険料を満額納めた人が一番多くもらえる」と思われがちですが、年金生活者支援給付金に限っては、必ずしもそうとは言い切れません。免除期間の単価が納付済期間の単価より高く設定されているため、組み合わせ方によっては免除期間がある人のほうが給付額が大きくなることもあります。ご自身の正確な納付済期間・免除期間は、年金証書や支給額変更通知書に記載されていますので、気になる方は一度確認してみてください。

6. まとめ

公的年金の受給額には大きな個人差があり、年金生活者支援給付金は、その差を補うために設けられた仕組みです。基準額は年度ごとに見直され、2026年度は月5620円ですが、老齢年金生活者支援給付金の実際の給付額は、保険料の納付状況によって一人ひとり異なります。全額免除期間の長さによっては、フルに保険料を納めた人よりも給付額が大きくなることもあるため、「納付済期間が短いから対象外」「もらえても少額のはず」と思い込むのは早計です。

給付金は自動的には振り込まれず、請求手続きをして初めて受け取れる仕組みです。緑の封筒などの案内が届いたら、まず中身を確認し、ご自身の保険料納付状況にもとづく給付額がいくらになるのかを、ねんきん定期便や年金証書で確かめてみましょう。

参考資料

和田 直子