金融庁の「老後2000万円問題」をきっかけに、貯蓄の重要性を再認識した人もいたのではないでしょうか。老後資金の形成には長い時間がかかるのが一般的です。夫婦で老後を乗り切っていくためには、早いうちから少しずつでも貯蓄を増やしていく必要があるでしょう。

ところが、収入はあるのに貯蓄ができないというケースも増えています。その原因は家計管理、つまり「やりくりの方法」にあるのかもしれません。

財布のひも、どちらが握っていますか?

夫婦の家計管理には主に3通りの方法があります。「妻が管理する」「夫が管理する」、そして「夫婦が共同で管理する」のいずれかになるのが一般的でしょう。結婚に際して、どの管理方法を選ぶかで悩んだ人もいるかもしれませんね。

「共働きが当たり前」の時代を迎え、財布を一緒にしない夫婦も増えています。しかし、「家計の実権を握っているのは妻」だというケースはいまだに少なくありません。

はじめに、明治安田生命が実施した『「家計」に関するアンケート調査』の結果をみていきましょう。この調査は2018年4月2日~9日の期間に全国の20~79歳の既婚男女1620人を対象に実施されました。(表「夫婦の就労形態別 家計管理の詳細」を参照)

夫婦の就労形態別 家計管理の詳細(明治安田生命の資料をもとに編集部作成)

夫婦の就業形態に関係なく、約6割の世帯で妻が家計を管理していることがわかりますね。一方、フルタイムの共働き世帯では共同管理の割合が高めになっています。

こんな家計トラブルに陥っていませんか

ここからは、夫婦の家計トラブルの具体例をみていきましょう。