NISAの「つみたて投資枠」を使い始めたものの、毎月いくら積み立てればよいのか迷っている方は多いのではないでしょうか。上限まで使い切れば将来の資産は大きくなりますが、無理に積立額を増やして生活を切り詰めてしまっては本末転倒です。

一方で、手元にまとまった資金があると、「積み立てるより一括で投資したほうが早いのでは」と考える方もいるかもしれません。

この記事では、金融庁「つみたてシミュレーター」の計算方法を参考に、月10万円と月3万円で積み立てた場合の20年後の差を試算したうえで、複利効果や時間分散(ドルコスト平均法)の観点から、積立額の考え方や一括投資との違いを整理していきます。

1. つみたて投資枠、月々の積立額でどれだけ差がつく?

まずは、毎月の積立額によって20年後の資産額がどれくらい変わるのかを確認しましょう。

1.1 月10万円と月3万円、20年後の資産額を比較

金融庁「つみたてシミュレーター」の計算方法を参考に、想定利回り年5%で20年間積み立てた場合の資産額を試算しました。

つみたて投資枠、月10万円と月3万円の20年間の資産推移(想定利回り年5%)1/2

つみたて投資枠、月10万円と月3万円の20年間の資産推移

出所:金融庁「つみたてシミュレーター」の計算方法をもとにLIMO編集部試算

月10万円を20年間積み立てた場合、資産額は約4058万円(元本2400万円、運用益約1658万円)になる計算です。一方、月3万円であれば約1217万円(元本720万円、運用益約497万円)にとどまり、20年後の差はおよそ2841万円にもなります。積立額を約3倍に増やせば、最終的な資産額も正比例して約3倍に増える計算です。積立額が大きいほど、同じ運用期間と利回りであっても、複利によって得られる運用益の「絶対額(金額の規模)」が大きくなります。

1.2 つみたて投資枠の上限は月10万円(年120万円)

つみたて投資枠で投資できる金額は、年間120万円が上限です。月あたりに均等に割り振ると、月10万円がこの枠を使い切る目安の金額になります。今回の試算で「月10万円」を比較対象としたのは、この上限額を踏まえたものです。

和田 直子

試算結果だけを見ると、月10万円まで積み立てたほうが有利に見えるかもしれません。ただし、これはあくまで年5%の運用が20年間続いた場合の一例です。実際の相場は上下しますし、何より無理な金額を積み立て続けられなければ、この試算どおりの結果にはたどり着けません。