4. 変動10年は数字が変わっていく

3つのうち1つだけ、前提が違います。

4.1 1.95%は最初の半年の利率

変動10年は実勢金利に応じて半年ごとに適用利率が変わります。1.95%は最初の半年に適用される利率で、その後は基準金利に応じて上下します。

計算した1万5538円も、最初の1年をこの利率で通した場合の目安です。実際には途中で利率が変わるため、この額のまま続くとはかぎりません。

4.2 固定5年と固定3年は満期まで動かない

固定5年と固定3年は、発行時の利率が満期まで変わりません。9月募集分を買えば、固定5年なら5年間、固定3年なら3年間、同じ利率が続きます。

受け取る利子の総額が買った時点で決まるため、計画を立てやすい形です。その代わり、この先金利が上がっても受け取る額は増えません。

5. 税引後でそろえて比べる

確認しておきたい点を解説していきます。

5.1 預金の利息も税引後で見る

預金の利息にも同じ20.315%の税金がかかります。個人向け国債と定期預金を比べるときは、どちらも税引後にそろえて見ると差が正しくつかめます。

店頭やチラシに出ている数字は、どちらも税引前で表示されているのが一般的です。片方だけ税引後で計算すると、比較になりません。

5.2 受け取る回数と時期も確かめる

個人向け国債の利子は半年ごとに年2回です。まとまった額が一度に入るわけではありません。

生活費の足しにする予定があるなら、いつ振り込まれるのかを確かめておきましょう。使う時期と受け取る時期がずれると、結局取り崩すことになります。

6. 買う前に確かめておきたいこと

手続きの面も見ておきます。

6.1 1万円から購入できる

個人向け国債は最低1万円から1万円単位で購入できます。購入単価は額面金額100円につき100円です。

毎月発行されているため、今月の募集を逃しても翌月の募集があります。ただし適用利率は毎月決まるため、同じ利率とはかぎりません。

6.2 口座の開設に時間がかかることがある

購入するには証券会社や銀行、郵便局などに国債専用の口座が必要です。口座開設には数日かかる場合があります。

金融機関によって取り扱っている種類や募集期間が異なります。買いたいタイプが決まっているなら、取り扱いの有無を先に確認してみてください。

7. まとめにかえて

9月募集分の税引後の利率は、固定5年が1.7849440%、固定3年が1.5618260%、変動10年が1.5538575%でした。案内されている適用利率に0.79685を掛けた数字です。

100万円を1年持った場合の利子は、税引後で1万5538円から1万7849円になります。固定3年と変動10年の差は年79円ほどで、利率の高さだけで選ぶ意味は小さいところです。

中途換金で差し引かれる調整額にも同じ0.79685が使われています。他の商品と比べるときは、税引後にそろえて確かめてみてください。

参考資料

和田 直子