財務省が2026年9月2日に公表した個人向け国債の発行条件では、適用利率とあわせて税引後の利率も記載されています。
9月募集分では、固定5年の2.24%が1.7849440%、固定3年の1.96%が1.5618260%、変動10年の1.95%が1.5538575%と併記されています。利子を受け取るときに20.315%の税金が差し引かれるためです。
この記事では、税引後で見ると受け取る額がいくらになるのかを確認していきましょう。
1. 発行条件には税引後の利率も載っている
まず、公表されている数字を確認します。
1.1 表示されている利率は税引前
個人向け国債の適用利率として案内されているのは、税金が差し引かれる前の数字です。9月募集分は固定5年が年2.24%、固定3年が年1.96%、変動10年が年1.95%でした。
財務省の発行条件には、これとは別に税引後の利率が併記されています。固定5年が1.7849440%、固定3年が1.5618260%、変動10年が1.5538575%です。
1.2 差し引かれるのは20.315%
国債の利子は、受け取るときに20.315%分の税金が差し引かれます。適用利率に0.79685を掛けると、税引後の利率になります。
たとえば固定5年の2.24%に0.79685を掛けると1.7849440%です。口座に振り込まれるのは、この税引後の利率で計算された金額になります。
2. 100万円ならいくら受け取れるか
金額に置き換えてみます。
2.1 1年で1万5538円から1万7849円
100万円分を1年間持った場合、税引後の利率で計算すると、固定5年が1万7849円、固定3年が1万5618円、変動10年が1万5538円になります。
利子は半年ごとに年2回受け取ります。1回あたりはこの半分の金額です。
2.2 固定3年と変動10年の差は年79円
固定3年と変動10年は、適用利率で0.01ポイントの差です。税引後では0.0079685ポイントの差になり、100万円あたりでは年79円ほどになります。
この2つを利率の高さだけで選ぶと、差はごくわずかです。金額の大小より、満期までの期間や利率が変わるかどうかで考えたほうが現実的です。
なお、この金額は満期まで保有(または一定期間保有)した場合の目安です。個人向け国債は購入から1年間は中途換金できず、1年経過後に解約する場合も「直前2回分の利子相当額」が差し引かれます。表示通りの利子を丸々受け取るには、解約せずに持ち続けることが前提となります。
3. 中途換金の計算にも同じ割合が出てくる
0.79685という数字は、別の場面でも使われます。
3.1 直前2回分の利子相当額が差し引かれる
個人向け国債は発行後1年を経過すれば中途換金できます。そのとき、直前2回分の各利子の税引前相当額に0.79685を掛けた額が差し引かれます。
0.79685を掛けているのは、利子を受け取ったときにすでに20.315%分の税金が引かれているためです。手元に入った金額をもとに調整する形になっています。
3.2 償還金額は額面100円につき100円
中途換金しても、償還金額は額面金額100円につき100円です。差し引かれるのは利子の部分であって、元本が目減りするわけではありません。
直前2回分の利子より前に受け取った利子は、差し引きの対象になりません。持っていた期間が長いほど、手元に残る利子は多くなります。
利率の数字だけを見ていると、実際に振り込まれる額とずれます。他の商品と比べるときも、税金が引かれた後でそろえて見たほうが判断しやすくなります。
