給付付き税額控除は、住民税が非課税の世帯なら全員が現金給付を受けられる。そう受け取っている方もいます。
ところが首相官邸が公表している会見の資料には、そうは書かれていません。着目されているのは世帯の課税状況ではなく、働いている人の所得です。
制度の詳細設計は今月、9月の大綱で固まる予定です。この記事では、令和8年7月30日の会見で示された内容をもとに、給付の対象と対象外になる人を確認していきます。
なお、給付付き税額控除の仕組みについては、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。
1. そもそも給付付き税額控除とはどういう制度か
対象の話に入る前に、制度の形を押さえておきます。
1.1 税額控除と現金給付をセットにしたもの
制度の基本的な組み立ては、【2026年8月最新】給付付き税額控除とは?いつから・いくらもらえる?「給付一本化」への転換と今後のスケジュールに次のように整理されています。
給付付き税額控除とは、簡単に言えば「税金を安くする(税額控除)」ことと「現金を配る(給付)」ことをセットにした制度です。
この制度が強く求められている背景には、消費税の「逆進性」という問題があります。消費税は一律でかかるため、所得が低い人ほど、収入に占める税負担の割合が大きくなってしまいます。
出所:【2026年8月最新】給付付き税額控除とは?いつから・いくらもらえる?「給付一本化」への転換と今後のスケジュール
納めている税金から引ききれない分を現金で受け取る、という形です。したがって出発点にあるのは、その人がいくら税や社会保険料を負担しているかという話になります。世帯が非課税かどうかを入り口にする制度とは、設計そのものが違うということです。
2. 給付付き税額控除は一律の金額での給付ではない
次に、どういう性格の給付なのかを確認します。
2.1 過去の給付との違いが述べられている
高市総理は令和8年7月30日の会見で、令和11年に本格導入される所得に連動したきめ細かな給付について説明しています。
これまで批判のお声が多かった、国民全員や一部の方のみを対象とした一律の金額での給付とは異なるとされています。税・社会保険料負担と現金給付を総合的に捉え、所得等に応じたきめ細かな支援を届けるという点で画期的な意義を有するもの、という位置づけです。
2.2 着目しているのは現役勤労者
この制度は、中所得・低所得の現役勤労者の負担を軽減し、これまでよりも手取りが増えるようにするとされています。
あわせて、年収の壁などによる働き控えを緩和し、就労促進という喫緊の課題にも対応できると考える、と述べられています。
3. 給付付き税額控除には対象外になる人が2種類挙げられている
会見では、対象から外れる人についても触れられています。
3.1 勤労意欲のある低所得の方
1つ目は、所得に連動したきめ細かな給付の対象外となる、勤労意欲のある低所得の方です。
この方々については、給付の対象外で支援が必要な方を丁寧に把握した上で、既存の社会保障制度での対応も含め、必要な対応の在り方を検討するとされています。可能なものについては令和11年度からに合わせて実施できるよう、本格導入までに結論を得るという説明です。
3.2 就労していない高齢者
2つ目は、就労しておられない高齢者の方です。
年金制度などの既存の制度での対応との関係の整理を含め、必要な対応の在り方を継続検討し、次期年金法改正が予定されている令和12年までに結論を得るとされています。

