定年が延びても、給与がそのまま続くとは限りません。
人事院の職種別民間給与実態調査には、60歳到達を理由とした給与減額の状況が出ています。課長級と非管理職を分けて集計されているため、管理職のほうがどうなるのかがわかります。
この記事では、令和8年の調査結果から定年制の状況と、60歳を超えたあとの給与水準を確認していきます。
1. 定年年齢は60歳が70.1%を占める
まず、定年制そのものの状況を確認します。
1.1 定年制がある事業所は99.5%
人事院の令和8年職種別民間給与実態調査によると、定年制ありが99.5%、定年制なしが0.5%です。
定年年齢は60歳が70.1%、61歳以上が29.3%となっています。定年を引き上げた事業所は3割ほどということです。
1.2 集計の対象は一定規模以上の事業所
この数値は、企業規模100人以上かつ事業所規模50人以上の事業所を対象に集計されたものです。定年制の有無を回答した事業所を100とした割合になります。
2. 課長級は57.4%で60歳到達を理由とした給与減額がある
次に、給与が減るかどうかを見ていきます。
2.1 非管理職より減額される割合が高い
定年年齢を60歳から引き上げた事業所のうち、課長級は給与減額ありが57.4%、給与減額なしが42.6%です。
非管理職は給与減額ありが48.6%、給与減額なしが51.4%となっています。非管理職は半数以上が減額なしですが、課長級は半数以上が減額ありという構図です。
2.2 減額の時期は60歳が中心
給与減額ありのうち、60歳で減額する事業所は課長級が38.9%、非管理職が32.5%です。
課長級の場合、減額ありの57.4%のうち38.9%分が60歳時点で減額される計算になります。
定年延長=現役時代の収入維持と考えるのは危険です。特に管理職の場合、役職手当の免除や役職定年制の影響で約6割が給与減額に直面します。50代半ばから『60歳以降は給与が約2割強下がる』ことを前提としたマネープラン(住宅ローンの完済繰り上げや固定費削減)を前倒しで設計しておくことが、老後資金のショートを防ぐ鍵となります。
