3. 団地には「コンビニ+スーパー+薬局」の店舗

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出所:株式会社ローソン

出所:株式会社ローソン

ローソンが8月4日に東京都日野市のUR高幡台団地でオープンしたのが、「ハッピーローソンタウン日野高幡台店」です。

こちらは、集合住宅型の「ハッピーローソンタウン」の1号店です。なお、「ハッピーローソンタウン」自体は2026年6月に大阪府池田市で戸建て団地を対象とした1号店がオープンしており、日野高幡台店は集合住宅型の1号店にあたります。

また、同店は、2011年から2026年6月まで「ローソンストア100」として営業していた店舗を、「ハッピーローソンタウン」としてリニューアルしたものです。

ハッピーローソンタウンでは、通常のローソンが提供する商品・サービスに加えて、生活利便性の向上や防災機能の強化を図っています。

具体的には、食品スーパー「コモディイイダ」と連携して、生鮮品や精肉、冷凍魚などの品揃えを強化するほか、クオール薬局を店内に併設します。

クオール薬局では、薬や在宅医療への相談、OTC医薬品、介護用品・介護食の販売などに対応します(調剤薬局のオープンは2026年9月1日を予定)。

さらに、店内のイートインスペースを地域住民の交流の場として活用するほか、防災サイネージ、太陽光発電、蓄電池、Starlinkなどの「災害支援ローソン」の機能も整備しています。

店舗は24時間営業で、商品数は約3500品目。店舗面積は338.18平方メートル、売場面積は272.52平方メートルです。

特に注目したいのが、デジタル技術を使った生活支援です。

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出所:株式会社ローソン

出所:株式会社ローソン

高幡台団地の一部住民を対象に、タブレットから商品を注文すると、店舗スタッフが即日で商品を届ける「ビデオ通話デリバリーサービス」の実証実験を行います。

デジタル機器の操作が苦手な人には、店舗スタッフがビデオ通話でサポートします。

また、店舗内の「Pontaよろず相談所」で提供している暮らしに関する専門相談も、自宅から利用できる仕組みを検証します。実証実験は2026年11月末までを予定しています。

ここまでくると、単なる「団地のコンビニ」というより、買い物、健康・介護に関する相談、防災、交流などを支える生活拠点に近づいています。

ローソン、KDDI、UR都市機構が連携し、郊外団地の持続可能なモデルを構築しようとしている点も特徴です。

4. ローソンが店舗の形を多様化する狙いとは?

3つの店舗の形はそれぞれ大きく異なりますが、共通しているのは「地域の条件に合わせて店舗のあり方を変える」という発想です。

「with LAWSON」は人口が少なく採算確保が難しい地域のモデル、トレーラーハウス型は従来型店舗を設置しにくい場所のモデル、集合住宅型は郊外団地における生活利便性や地域コミュニティなどの課題に対応するモデルと位置づけられます。

ローソンがこうした取り組みを進める背景には、人口減少や高齢化によって、従来型の店舗モデルだけでは対応しにくい地域が増えていることがあると考えられます。

コンビニでは、一定の商圏人口を確保できなければ売上を確保しにくい一方、店舗を新設する場合には建物や設備などへの投資も必要になります。

そこで、既存施設を活用したり、店舗そのものをトレーラーハウスにしたり、地域のニーズに応じて商品やサービスを変えたりすることで、従来型店舗とは異なる形で出店する余地が生まれます。

ローソンでは出店場所や形態、品揃えだけでなく、遠隔操作機能付きカメラを活用して、本部社員が現地に赴かなくても売場状況や販売動向を確認できる仕組みを導入するなど、運営面の効率化も図っています。

これは単純な店舗の小型化ではなく、「どの地域にも同じ店を建てる」から「その地域で成立する店を設計する」方向への転換と見ることができるでしょう。

5. トレンドウォッチャーのひとこと

大蔵 大輔

コンビニ業界では、これまで「どこに、何店舗出店するか」が大きな競争軸の一つでした。しかし、人口減少や人手不足が進むなかでは、単純に店舗数を増やすだけでは対応しにくい地域も出てきます。

今回のローソンの取り組みで興味深いのは、店舗そのものを地域課題に合わせて変えていることです。これは、コンビニの競争軸が「店舗数」だけでなく、「どれだけ多様な地域に適応できるか」へ広がっていることを示す動きとも考えられます。

ローソンが掲げる「地域再創生」の実現に向けて、今後どのような店舗フォーマットが増えていくのか。コンビニの競争は、店舗数だけでなく「地域に合わせてどこまで形を変えられるか」という新たな段階に入っているのかもしれません。

参考資料

大蔵 大輔