株式会社ローソンは、2026年8月31日、宮城県石巻市北上町に「にっこり商店 with LAWSON」をオープンします。同社は8月に集合住宅型・トレーラーハウス型など、従来とは異なる形態の店舗を相次いでオープンするなど、新たな出店モデルを打ち出しています。
これらは単なる「変わったコンビニ」なのでしょうか。今回は3つの店舗を詳しく分析しながら、ローソンが店舗の形を多様化する背景と、コンビニ業界の競争軸がどのように変わりつつあるのかを解説します。
- 「with LAWSON」は既存商店を活用し、採算確保が難しい地域への出店を目指す新モデル
- 集合住宅型・トレーラーハウス型など、立地や地域課題に合わせた新たな店舗も展開
- コンビニの競争は「店舗数」だけでなく、地域の課題に向き合う「適応力」も重要に
1. 8月31日にオープンする「with LAWSON」とは?
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出所:株式会社ローソン
8月31日にオープンする「にっこり商店 with LAWSON」は、ローソンが新たに始める出店モデル「with LAWSON」の1号店です。
最大の特徴は、ゼロからローソン店舗を建設するのではなく、地域の既存商店や施設を活用することで、今回は水産卸会社である株式会社カネキ水産の直売所「にっこり商店」を活用します。
with LAWSONには、商圏人口が少なく、従来のコンビニ出店では採算確保が困難だった地域でも、既存施設を活用することで出店しやすくする狙いがあります。
新たな建物の建設や設備投資を最小限に抑え、地域の人口規模や利用実態に応じて店舗規模、品揃え、サービス、営業時間などを最適化します。
にっこり商店 with LAWSONの営業時間は7時から19時で、オープン当日は午前10時から営業します。
商品数は約1000品目。弁当やおにぎり、調理麺、フライドフーズ、ベーカリー、デザート、飲料などのコンビニ商品に加え、野菜などの生鮮品、カネキ水産の水産加工品、日用品、酒類、たばこなども取り扱います。ATMは設置されません。
店舗面積は102.06平方メートル、売場面積は74.06平方メートルです。
一般的なコンビニと同じ機能をすべて詰め込むのではなく、地域に必要な商品・サービスを絞り込むことで、小さな商圏でも成立しやすい店舗を目指していることが分かります。
また、店名に「にっこり商店」という既存商店の名称を残し、「にっこり商店 with LAWSON」とすることで、地域に根差した店舗づくりも目指します。
ローソンは2023年から、スーパーの跡地やこれまで出店できていなかったエリアにおいて、自治体や地元企業、地域住民と連携する「地域共生コンビニ」の取り組みを進めており、「with LAWSON」はその一環です。
2. ローソン初のトレーラーハウス型店舗も登場
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出所:株式会社ローソン
ローソンは8月27日、神奈川県海老名市の海老名運動公園内に「ローソンS海老名運動公園店」をオープンしました。
こちらはローソン初となるトレーラーハウス型店舗です。
40フィートと20フィートのトレーラーハウスで構成され、40フィート側を売場、20フィート側を事務所・厨房として利用します。
店舗面積は41.87平方メートル、売場面積は33.60平方メートル。商品数は約500品目で、弁当、おにぎり、フライドフーズ、まちかど厨房、デザート、飲料、日用品などを取り扱っています。
一方、ATM、コピー機、Loppiなどは設置されません。営業時間は10時から17時を予定しており、施設休館日は休業します。
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出所:株式会社ローソン
この店舗は2027年3月31日までの営業を予定しており、事業性や運営面の検証を行います。
トレーラーハウス型の大きな特徴は、店舗そのものを移動できる点です。
ローソンは、売店機能のない公共施設への出店を検討するなかで、来園者数や搬入ルートの有無、母店となる直営店舗との距離などを踏まえ、海老名運動公園を1号店の立地に選びました。
通常の店舗を新設する場合、土地や建物、設備などの条件を整える必要があります。
それに対してトレーラーハウス型であれば、ローソンが「さまざまな場所へ低コストかつ短期間での出店」を可能にすると説明するように、従来とは異なる出店の選択肢になります。
さらにローソンは、災害時には被災地などへ移動させ、ライフライン機能の一端を担うことも検討しています。
つまり、この店舗は「海老名運動公園で営業するコンビニ」であると同時に、場所に応じて移動できる店舗モデルの実証実験という意味合いも持っています。