同じ年齢で同じように働いてきたつもりでも、受け取る年金額には大きな差が生まれます。分かれ目になるのは、厚生年金に何年入っていたかです。
厚生労働省が示したライフコース別の試算では、男性でも年金月額6万3513円のケースと17万6793円のケースがあります。その差は月11万3280円です。
本記事では、65歳以上の単身無職世帯の家計収支と2026年度の年金額例、そしてライフコース別に年金額がどう変わるのかを解説します。
なお、65歳以上世帯の家計収支や年金額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
- ライフコース別の年金月額は、男性で6万3513円から17万6793円まで開きがあります
- 65歳以上の単身無職世帯では、毎月2万9980円が不足しています
- 2026年度の国民年金は満額で月7万608円、厚生年金は夫婦2人分で月23万7279円です
1. 老後資金の前提。65歳以上の単身無職世帯は収入13万1456円に対し支出16万1435円
まず家計の実態です。65歳以上の無職単身世帯の家計収支について、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から要点を引用して確認しておきましょう。
65歳以上の無職単身世帯では、実収入13万1456円(うち社会保障給付12万212円)に対し、支出は消費支出14万8445円と非消費支出1万2990円を合わせて16万1435円。毎月2万9980円が不足している計算になります。
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
実収入13万1456円のうち12万212円が社会保障給付です。つまり生活のほぼ全部を年金で支えている形になります。年金額が変われば、この赤字幅もそのまま変わります。
2. 老後資金の土台になる2026年度の年金額を確認する
現役時代の年金加入状況によって、老後の受給額は一人ひとり異なります。加えて、年金額は物価や現役世代の賃金動向を踏まえ、毎年改定がおこなわれます。
2026年度の年金額は前年度より国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%引き上げられており、日本年金機構は以下の年金額について公表しています。
2.1 2026年度の国民年金と厚生年金の年金額例
- 国民年金(老齢基礎年金(満額):1人分):7万608円(+1300円)
- 厚生年金(夫婦2人分):23万7279円(+4495円)
※昭和31年4月1日以前生まれの方の老齢基礎年金の満額は月額7万408円(対前年度比+1300円)
※厚生年金は「男性の平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)45万5000円)」で40年間就業した場合に受け取り始める年金(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金(満額))の給付水準
国民年金の保険料は所得にかかわらず一律です。一方の厚生年金は収入に応じた保険料を納めるため、受給額に個人差が出やすくなります。
3. 老後資金の差はどこから。ライフコース別の年金月額を5パターンで比べる
働き方や生き方が多様化するなかで、自分はどのくらいの年金を受け取れるのかが気になっている人もいるでしょう。
厚生労働省は年金改定の発表と同時に、「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」でも紹介されている多様なライフコースに応じた年金額例を示しています。
年金加入経歴を男性2パターン、女性3パターンに分け、2026年度に65歳になる人を想定した年金額の概算です。
3.1 パターン① 男性・厚生年金期間中心は年金月額17万6793円
- 平均厚生年金期間:39.8年
- 平均収入:50万9000円※賞与含む月額換算。以下同じ。
- 基礎年金:6万9951円
- 厚生年金:10万6842円
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
3.2 パターン② 男性・国民年金(第1号被保険者)期間中心は年金月額6万3513円
- 平均厚生年金期間:7.6年
- 平均収入:36万4000円
- 基礎年金:4万8896円
- 厚生年金:1万4617円
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
3.3 パターン③ 女性・厚生年金期間中心は年金月額13万4640円
- 平均厚生年金期間:33.4年
- 平均収入:35万6000円
- 基礎年金:7万1881円
- 厚生年金:6万2759円
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
3.4 パターン④ 女性・国民年金(第1号被保険者)期間中心は年金月額6万1771円
- 平均厚生年金期間:6.5年
- 平均収入:25万1000円
- 基礎年金:5万3119円
- 厚生年金:8652円
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
3.5 パターン⑤ 女性・国民年金(第3号被保険者)期間中心は年金月額7万8249円
- 平均厚生年金期間:6.7年
- 平均収入:26万3000円
- 基礎年金:6万9016円
- 厚生年金:9234円
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
男性2パターンを比べると、厚生年金期間が39.8年のケースは17万6793円、7.6年のケースは6万3513円で、月11万3280円の差になります。厚生年金期間の長さと当時の収入が、そのまま結果に表れます。
女性3パターンでは、厚生年金期間中心の13万4640円が最も多く、第1号被保険者期間中心の6万1771円が最も少ないという並びです。第3号被保険者期間中心のケースは7万8249円で、基礎年金部分が6万9016円と手厚くなっています。
単身無職世帯の支出16万1435円と並べると、パターン①以外は年金だけでは届きません。差額を貯蓄で埋める前提で考えておく必要があります。


