ビジネスや投資の世界で使う逆バリ戦略ですが、実は日常生活でも取り入れることができます。

クリスマスの時には、みんながイタリアンやフレンチレストランにいくので混雑します。あえてそのタイミングで中華料理のレストランへいくと、混雑を避けられまたお店にとってはありがたい「お客様」として丁重に迎えてもらうことが出来るでしょう。

また、お盆や年末年始にみんなが一斉に帰省すると、帰省ラッシュに巻き込まれてしまいます。交通費も高く、混雑もしていて、割に合うリターンを得ることが出来ません。しかし、このタイミングを少し外すだけで、混雑や交通費も落ち着いて帰省することが出来るでしょう。

私の知人のお金持ちはめったに旅行にはいかないのですが、行くときはできるだけ利用者が少ない宿泊先やリゾート地を選ぶといいます。たとえばそれは全室スイートルームなどの高級宿泊先です。いわく、「待たされるくらいならいかない。いくなら絶対に待たない場所でないと行く価値はない」ということです。

なぜそこまで待つことを嫌うのでしょうか?

お金持ちの時給

お金持ちは時給換算をすると、すさまじく高いです。会社組織の社長という立場の場合一つとっても、社長の代わりは誰にも務まりませんから、まさに替えの効かない人物になるわけです。

たとえば年収1億円の社長の場合は、1カ月で約833万円、1日で約28万円を稼ぐ計算になります。すると1時間あたりの稼ぐ時給は数万円、という常人とはかけ離れた金額になります。

お金持ちは極めて合理的な思考をする人種ですから、あらゆる行動を「投資対効果があるのか?」という問いかけをするものです。

以前にJPモルガン社長が「お金持ちと結婚したい」といった女性に「女性の若さには資産性がないので、レンタルがもっとも合理的だろう」という非情な回答をしたことが話題になりました。

どこまで本気なのかはわかりませんが、このような回答を出してしまう思考なのですから、価値のないことやリターンの小さいことはしません。混雑に巻き込まれたり、無用な待ち時間を余儀なくされるのも彼らにとっては、ムダな行動以外の何物でもないのでしょう。

お金持ちにとっては「時間>お金」

そして仕組みや投資で稼ぐお金持ちにとっては、「時間>お金」という価値観があります。

時間があればお金を失っても、後から稼ぎ直せます。しかし、失われた時間は永遠に取り戻すことはできないのです。混雑や行列に並んだとしても、掛けた時間に見合うリターンは約束されていませんが、確実に時間は失います。彼らにとってはまさに、「ハイリスク、ローリターン」の投資行動に思えてしまうのではないでしょうか。

高級フルーツギフトショップ「水菓子 肥後庵」代表 黒坂 岳央