8月に児童手当が振り込まれた方も多いのではないでしょうか。通帳の入金額を見て、月1万円くらいのお金という感覚で受け止めている方もいるかもしれません。

こども家庭庁の資料によると、児童手当は0歳から高校生年代まで支給されます。第1子・第2子であれば、高校卒業までの18年分を積み上げると総額は234万円になります。

銀行員だった頃、窓口で通帳を見る立場にいました。同じ金額の児童手当を受け取っているのに、残高の育ち方が家庭ごとに違うことに気づきました。

この記事では、児童手当の月額と支給される月、そして高校卒業までの総額がいくらになるのかを解説します。

ココがポイント
  • 児童手当は3歳未満が月1万5000円、3歳から高校生年代までが月1万円。第3子以降は年齢を問わず月3万円
  • 支給は2月・4月・6月・8月・10月・12月の偶数月に、前月分までの2か月分
  • 第1子・第2子を高校卒業まで全額残すと総額234万円。第3子以降は上の子の年齢によって変わり、最大で648万円になる

1. 児童手当は月いくら?3歳未満と3歳以上で金額が変わる

児童手当の金額は、子どもの年齢と、何人目の子どもかによって変わります。まずは今の月額を確かめておきましょう。

1.1 3歳未満の児童手当は月1万5000円

こども家庭庁の資料では、3歳未満の児童手当は月1万5000円と示されています。第3子以降にあたる場合は月3万円です。

この区分は3歳の誕生月までが対象で、翌月分から金額が切り替わります。

ただし年齢は、誕生日の前日に1つ上がる扱いになります。船橋市の案内でも「4月1日が18歳の誕生日である場合は、『18歳に到達する日』は出生の日から起算して誕生日前日の3月31日になります」と説明されています。

そのため1日生まれのお子さんは3歳に達する日が前月の末日となり、切り替えも1か月早まります。ご自身のお子さんがこれにあたる場合は、市区町村の案内で確認しておくと安心です。

1.2 3歳から高校生年代までの児童手当は月1万円

3歳以上から高校生年代までは月1万円になります。第3子以降であれば、この年齢帯でも月3万円が続きます。

支給の対象は「0歳から18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子」と定められています。高校を卒業する年度の3月分までが対象という理解になります。

1.3 児童手当が支給されるのは偶数月の年6回

支給時期は「毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月(偶数月)に、それぞれの前月分まで(2か月分)を支給」と案内されています。

つまり8月に振り込まれた分は6月分と7月分にあたります。次に振り込まれるのは10月で、8月分と9月分がまとめて入ることになります。

3歳の誕生月までは月1万5000円。翌月分から月1万円に切り替わります1/2

児童手当の月額と支給される月。3歳未満は月1万5000円、3歳以上高校生年代までは月1万円、第3子以降は月3万円

出所:こども家庭庁「児童手当制度のご案内」をもとにLIMO編集部作成

2. 【元銀行員の視点】児童手当が残っている口座と、残っていない口座は何が違うのか

金額の話とは別に、受け取ったあとの動きにも家庭ごとの差があります。窓口で通帳を見ていた頃に気づいたことを整理します。

2.1 児童手当が4か月分まとめて入っていた頃の通帳

銀行員だった頃、児童手当は2月・6月・10月の年3回、4か月分がまとめて振り込まれる仕組みでした。子ども1人あたり4万円から6万円が、ひとまとめで入ってくる形です。

まとまった金額が一度に入る口座では、その月のうちに残高が元の水準へ戻っていることが少なくありませんでした。

一方で、入金の数日後には別の口座へ移されていて、手当の分だけが確実に積み上がっている通帳もありました。受け取った金額は同じでも、置き場所を分けているかどうかで差がついていたわけです。

2.2 子どもの名前で口座を作りに来る親は多かった

子どもの名前で口座を作りたいという相談は、窓口でよく受ける手続きの一つでした。入学や進学を意識して、生活費の口座とは別に用意しておきたいという動機が多かったように思います。

残高が育っていた家庭に共通していたのは、手当が入る口座と、貯めておく口座を分けていたことです。

ご自身の通帳を見返して、手当の入金額がその後どう動いているかを確かめてみると、家計の実態が見えやすくなります。

2.3 児童手当の回数が増えたことは、貯める側には追い風になる

今の児童手当は偶数月に2か月分ずつなので、1回に入る金額は当時より小さくなりました。そのかわり回数が増えたため、毎回いくら入るかが読みやすくなっています。

積立定期預金や自動振替の設定を一度作っておけば、手を動かさなくても積み上がっていきます。

ただし自動振替は、残高が足りないと振替そのものが実行されないことがあります。生活費と同じ口座から引き落とす場合は、余裕を持った金額にとどめておくほうが安全です。

3. 児童手当を全額残すと総額234万円。教育費のどこまで届くのか

月額だけを見ていると小さく感じますが、支給期間の全体で積み上げると金額の桁が変わります。

3.1 児童手当は第1子・第2子で234万円、第3子以降は最大648万円

第1子・第2子の場合、3歳未満の36か月で54万円、3歳から高校卒業までの180か月で180万円となり、合わせて234万円になります。

第3子以降は月3万円が続くため、216か月では648万円という計算です。ただしこの金額は、次の項目で触れるとおり上限にあたります。

なお誕生月によって支給される月数は前後するため、これらはあくまで目安の金額です。

3.2 児童手当の第3子加算は、上の子が22歳年度末を過ぎると終わる

2024年10月の制度改正で、第3子以降を数えるときの対象は22歳到達後の最初の3月31日までに広がりました。親などが経済的に負担している場合が対象になります。

数え方は年長順です。たとえば21歳・16歳・14歳の3人であれば、21歳の子は支給の対象外ですが数える対象には入り、14歳の子は第3子として月3万円を受け取れます。

ここで注意したいのが、上の子が22歳到達後の最初の3月31日を過ぎると、数える対象から外れることです。すると下の子の順位が繰り上がり、第3子だった子は第2子として扱われて月1万円に下がります。

つまり648万円という総額は、上の子2人を18年にわたって数え続けられた場合の上限です。きょうだいの年齢差が大きいほど、月3万円が続く期間は短くなります。

ご自身の世帯がどの順位で計算されているかは、市区町村から届く支給額の通知で確かめられます。18歳年度末を過ぎた子を数える対象に含めるには申請が必要になるため、判断に迷う場合は市区町村の窓口に確認してください。

第3子以降の648万円は、上の子2人を数える期間が続いた場合の上限。第1子・第2子の234万円はすべて公立の学習費総額614万円の約38%にあたります2/2

児童手当の総額は第1子・第2子で234万円、第3子以降は最大648万円。幼稚園から高校まですべて公立の学習費総額は614万円

出所:こども家庭庁「児童手当制度のご案内」、文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」をもとにLIMO編集部作成

3.3 児童手当と比べる、幼稚園から高校までの学習費総額614万円

文部科学省の「令和5年度子供の学習費調査」によると、1年間の学習費総額は公立の場合で幼稚園が18万4646円、小学校が36万6599円、中学校が54万2450円、高等学校(全日制)が59万6954円となっています。

同じ調査では、幼稚園3歳から高等学校第3学年までの15年間について、すべて公立で通った場合の学習費総額を約614万円と試算しています。

児童手当234万円は、この614万円の約38%にあたります。手当だけで教育費のすべてをまかなえるわけではありませんが、4割近くを占める原資と考えることはできます。

ひとり親世帯が受け取る手当については、【児童扶養手当】令和8年4月分から児童1人目は月4万8050円に改定。ひとり親世帯の所得制限と年6回の支給月でも金額と所得制限の目安を整理しています。

中本 智恵
窓口で通帳を見ていた頃、児童手当の残り方に一番効いていたのは金額ではなく置き場所でした。次の支給が来る前に、今どの口座に入っているかを確かめておくだけでも十分な一歩になります。