3. 25年未満の人はまた別の集計になる
年報には、もうひとつの区分があります。
3.1 通算老齢年金は平均96月
被保険者期間が25年未満の通算老齢年金・通老相当の受給権者は1451万4498人で、平均被保険者期間は96月でした。年数にすると8年です。
男女別では男子が338万4796人で108月、女子が1112万9702人で92月です。こちらは女子の人数が男子の3倍以上になっています。
3.2 短期間の加入も年金に反映される
厚生年金は、加入期間が短くてもその分は記録として残ります。老齢基礎年金の受給資格期間である10年を満たしていれば、短い厚生年金期間も報酬比例部分として受け取れます。
結婚や出産で退職した後にパートで厚生年金に加入した期間なども、ここに含まれてきます。数年だから関係ないと考えず、記録を確かめておきたいところです。
4. この数字を読むときの注意点
年報の数字には、いくつか前提があります。
4.1 年金分割の期間も含まれる
年報の注記によると、被保険者期間には年金分割によるみなし被保険者期間が含まれています。離婚時の年金分割で相手方の記録を受けた場合、その期間もここに入るということです。
また老齢相当には被保険者期間が15年未満の人も存在していますが、これは共済組合等の組合員等たる厚生年金保険の被保険者期間を含めて老齢相当に該当した人などもいるためだと説明されています。
4.2 いまの受給者の記録である
この数字は、すでに年金を受け取っている人の加入期間です。いま現役で働いている世代がこのとおりになるとは限りません。
女子の平均が男子より短いのは、その世代の働き方が反映された結果です。共働きが一般的になった世代では、この差は縮まっていく可能性があります。
5. 自分の加入期間を確かめる
平均を知ったら、次は自分の記録です。
5.1 定期便とねんきんネットで見る
加入期間は、毎年誕生月に届くねんきん定期便で確認できます。ねんきんネットに登録すれば、いつでもパソコンやスマートフォンから記録を見られます。
相談の場でも、転職の合間に空白があることに後から気づく方がいらっしゃいました。記録は早めに見ておくほうが、対応の幅が残ります。
5.2 60歳以降の加入も積み上がる
分布に40年超の山があるとおり、60歳以降も厚生年金に加入して働けば、その分が加入期間に積み上がります。老齢厚生年金は原則70歳まで加入できます。
ただし在職中は年金額が調整される場合があります。働き方と受け取り方の組み合わせについては、年金事務所で相談してみてください。
6. まとめにかえて
厚生年金保険(第1号)の老齢年金受給権者1608万5696人の平均被保険者期間は413月、年数では34年5か月でした。男子447月、女子346月で、その差は101月にあたります。
分布を見ると20年未満は8.9%にとどまり、最も多いのは41年以上42年未満の5.8%です。40年を超える層に山があります。
報酬比例部分は加入期間と報酬の水準で決まります。自分の加入期間はねんきん定期便やねんきんネットで確認できますので、まずは記録を見るところから始めてみてください。
参考資料
和田 直子