50歳代になると、退職後の暮らしや年金の受け取りが、少しずつ現実味を帯びてきます。「年金は遅らせると増えると聞くけれど、実際どれくらい?」—そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。

受け取る時期の判断は、老後の家計を左右します。まずは同世代の貯蓄の現在地を平均と中央値で確かめ、そのうえで、年金の繰下げ受給のしくみをみていきましょう。

今回は、50歳代の二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値を確認し、「75歳まで待つと84%増」という繰下げのしくみと注意点をみていきます。

LIMO編集部貯蓄解説班

年金の受け取り時期は、退職金の使い方や何歳まで働くかとセットで決まるテーマです。「遅らせれば増える」は事実ですが、増えない部分もあります。

数字と条件を正しく知ってから決めることが、後悔しない選択につながります。まずは同世代の現在地から確かめましょう。

なお、年代別の貯蓄額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。

【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認
【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認
ココがポイント
  • 50歳代・二人以上世帯の貯蓄額は平均1908万円・中央値700万円。2000万円以上が26.9%ある一方、金融資産非保有も18.2%
  • 繰下げ受給は66歳で8.4%、70歳で42.0%、75歳で84.0%の増額(日本年金機構)
  • ただし加給年金額・振替加算は増えない—待つ年数は3つの条件で決める

1. 【50歳代二人以上世帯の平均貯蓄額】中央値はいくらか?

金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、50歳代・二人以上世帯の金融資産保有額(平均・中央値)は次のとおりです。

※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。

1.1 50歳代二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)

金額帯ごとの割合は、「【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認」から要点を引用して確認してみます。

  • 金融資産非保有:18.2%
  • 100万円未満:6.5%
  • 100~200万円未満:6.4%
  • 200~300万円未満:4.1%
  • 300~400万円未満:3.5%
  • 400~500万円未満:2.2%
  • 500~700万円未満:6.7%
  • 700~1000万円未満:7.7%
  • 1000~1500万円未満:9.3%
  • 1500~2000万円未満:6.1%
  • 2000~3000万円未満:8.1%
  • 3000万円以上:18.8%
  • 無回答:2.2%
  • 平均が1908万円、中央値が700万円です。

出所:【全世代(20~70歳代)比較】貯蓄額の平均・中央値はいくら?単身・二人以上世帯で比較すると見えた「お金がある人・ない人の差」 差が生まれる3つの要因を確認

50歳代は平均1908万円・中央値700万円。2000万円以上が26.9%まで増える一方、貯蓄のない世帯も18.2%残ります。平均が中央値を上回り、実感に近いのは中央値のほうです。

退職後を見据え、年金の受け取り方も考え始めたい時期です。

厚生年金・国民年金の平均受給額や、年金から差し引かれるお金の内訳についてはこちらの記事でくわしく解説しています。あわせてご参考ください。
【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

LIMO編集部貯蓄解説班
50歳代は、退職とその後の受け取り方が現実味を帯びてくる時期です。平均だけでなく中央値もあわせて、わが家の準備状況を確かめておきたいところです。次のページでは、受け取りを遅らせると増える年金の「繰下げ」のしくみをみていきます。