3. 加入する前に確かめておきたい3つのこと

iDeCo公式サイトは、注意していただきたいこととしていくつかの点を挙げています。

3.1 原則60歳まで引き出せない

iDeCoは老後の資産形成を目的とした年金制度であるからこそ、税制の優遇が行われています。そのため、原則として60歳にならないと拠出した掛金とその運用益を引き出すことができません。

また、通算加入者等期間に応じて受給できる年齢が決まります。60歳以上で初めてiDeCoに加入した人は、通算加入者等期間がなくても、加入から5年を経過した日から受給できます。

3.2 課税所得がなければ控除は効かない

iDeCo公式サイトには、課税所得がない方は掛金の所得控除は受けられませんと明記されています。所得税や住民税がかかっていなければ、差し引く先がないためです。

さらに、所得控除は本人の所得からのみ控除され、配偶者の所得からは控除されません。専業主婦や専業主夫の場合、掛金の所得控除という面でのメリットは生じないことになります。

3.3 手数料と運用のリスク

iDeCoには手数料がかかり、金額は金融機関によって異なります。

また、確定拠出年金は将来受け取れる額があらかじめ確定しているわけではありません。運用商品のなかには元本が確保されていないものもあります。受け取る額は運用成績によって変わります。

4. 掛金は月5000円から決められる

では、いくらから始められるのでしょうか。

4.1 1000円単位で設定できる

iDeCoは月々5000円から始められ、掛金額を1000円単位で自由に設定できます。まとまった額でなくても始められる仕組みです。

掛金の上限は加入区分によって異なりますので、自分がどの区分に属しているかを先に把握する必要があります。会社員の場合、勤務先に企業年金があるかどうかでも変わります。

4.2 公的年金を確認してから考える

iDeCo公式サイトは、長期化する老後にそなえ、まず自身の公的年金の状況を確認し、さらに退職金や企業年金も含めて老後の資金を考えてはどうかと呼びかけています。

自分の年金見込額はねんきん定期便やねんきんネットで確認できます。公的年金と退職金でどこまで賄えるのかを見てから、足りない部分をどう埋めるかという順番で考えると判断しやすくなります。

5. まとめにかえて

2025年の年金制度改正で、iDeCoに加入できる年齢の上限が働き方に関係なく70歳未満へ引き上げられます。

掛金は全額が所得控除の対象で、運用益は非課税、受け取るときも控除が使えます。一方で原則60歳まで引き出せず、課税所得がない人は掛金の所得控除を受けられません。

掛金は月5000円から1000円単位で設定できます。まずは公的年金の見込額を確認したうえで、続けられる金額を決めてみてください。

参考資料

宮野 茉莉子