老後は現役時代の年収に応じた年金がもらえる、と考えている方は少なくないかもしれません。
厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金を月30万円以上受け取っている人は1万9283人で、受給権者1608万5696人の0.12%にとどまります。
この記事では、受給額の分布を上のほうから確認したうえで、これから年金を積み上げていく人に関わる社会保険の加入要件の見直しまで見ていきます。
- 厚生年金を月30万円以上受け取っているのは1万9283人で全体の0.12%
- 月20万円未満が81.2%を占め、20万円以上30万円未満は18.7%
- 短時間労働者の加入要件5つのうち、賃金要件と企業規模要件が撤廃される
なお、厚生年金の受給額の分布については、下記の記事より一部を引用・参照しています。
1. 【厚生年金】8割は月20万円未満
まず、受給額の分布を上のほうから見ていきます。ここでの金額は国民年金(老齢基礎年金)の部分を含んだ額です。
1.1 1万9283人が月30万円以上
厚生年金の受給権者は合計1608万5696人です。このうち月30万円以上を受け取っているのは1万9283人で、割合にすると0.12%になります。1000人に1人ほどという水準です。
年額に直すと360万円を超える計算です。現役時代に高い報酬を長く得ていた人に限られることになります。
1.2 8割は月20万円未満
もう少し下まで見ると、月20万円以上30万円未満が300万8390人で18.7%、月20万円未満が1305万8023人で81.2%でした。
つまり全体の8割は月20万円未満で、20万円以上を受け取っているのは5人に1人ほどにとどまります。平均月額の15万289円という数字も、この分布のなかにあります。
2. 第3号被保険者は641万人で、5年連続の減少
受け取る側だけでなく、いま保険料を納めている人の構成も動いています。
2.1 厚生年金に加入している人の配偶者が対象
国民年金にはいくつかの加入区分があります。そのひとつである第3号被保険者は、厚生年金に加入している第2号被保険者の配偶者で、一定の収入条件を満たす人が対象です。
令和6年度末時点では約641万人が該当しています。同じ概況を見ると、女性の第3号被保険者の人数は5年連続で減少していました。
2.2 共働きが増えれば構成も変わる
第3号被保険者は自分で保険料を納めませんが、そのぶん将来受け取るのは国民年金(老齢基礎年金)が中心になります。厚生年金に加入して働けば、その期間の報酬に応じた分が上乗せされます。
共働き世帯が増えて第3号被保険者が減っていくということは、将来の受給額の分布そのものが少しずつ変わっていくということでもあります。
分布の上のほうを見ると、月30万円は現実的な目標にはなりにくいことが分かります。それより、厚生年金に加入して働く期間をどう積むかのほうが効いてきます。

