老後の貯蓄というと、平均額を目にして自分と比べることが多いのではないでしょうか。

総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」によると、世帯主が65歳以上の無職世帯の平均貯蓄額は2494万円で、前年より66万円減りました。増加が続いていた貯蓄額が6年ぶりに減少しています。

この記事では、貯蓄の中身がどう動いたのかを確認したうえで、貯蓄額の広がり、そして毎月の家計収支から見た取り崩しの見通しまでを見ていきます。

ココがポイント
  • 65歳以上の無職世帯の平均貯蓄は2494万円。前年比66万円減で6年ぶりの減少
  • 有職世帯を含めた平均は2564万円で、無職世帯より70万円多い。2500万円以上が36.3%、300万円未満が14.9%
  • 65歳以上の夫婦のみ無職世帯の家計収支は月4万2434円の赤字

なお、シニア世代の貯蓄の動きについては、下記の記事より一部を引用・参照しています。

【シニア世代の貯蓄】65歳以上無職夫婦「平均2494万円」株などの有価証券が増加傾向《2026年度》年金改定額「国民年金の満額7万円台」突破
【シニア世代の貯蓄】65歳以上無職夫婦「平均2494万円」株などの有価証券が増加傾向《2026年度》年金改定額「国民年金の満額7万円台」突破

1. 65歳以上の無職世帯の平均貯蓄は2494万円で6年ぶりに減った

まず、貯蓄額そのものと、その中身を確認します。ここでの数字は二人以上の世帯が対象です。

1.1 2024年の2560万円から66万円減った

世帯主が65歳以上の無職世帯の平均貯蓄額は2494万円でした。2024年は2560万円で、そこまで右肩上がりの状態が続いていましたが、2025年は前年比66万円、率にして2.6%の減少に転じています。

増加が止まったのは6年ぶりです。金額としては2500万円前後の水準を保っているものの、方向が変わった年ということになります。

1.2 減ったのは預貯金、増えたのは有価証券

貯蓄の種類別に見ると、もっとも多いのは定期性預貯金の778万円です。次いで通貨性預貯金766万円、有価証券510万円、生命保険など426万円、金融機関外の貯蓄13万円と続きます。

前年からの増減が公表されている項目を見ると、定期性預貯金が81万円の減少、通貨性預貯金が35万円の減少でした。一方で有価証券は9万円増えています。

預貯金が減る一方で、有価証券は増えています1/2

預貯金が減る一方で、有価証券は増えています

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」をもとにLIMO編集部作成

2. 働いている世帯を含めると2564万円になる

ここまでは無職世帯の数字でした。次に、有職世帯も含めた65歳以上の世帯全体で見ます。

2.1 無職世帯より70万円多い

有職世帯を含めた世帯主が65歳以上の二人以上世帯の平均貯蓄額は2564万円です。無職世帯の2494万円と比べると70万円多くなります。

65歳を過ぎても働いている世帯が含まれる分、平均は上に動きます。なお、貯蓄が0円の世帯を除いた中央値は1777万円でした。

2.2 2500万円以上が36.3%、300万円未満が14.9%

貯蓄現在高の分布を見ると、2500万円以上の世帯が全体の36.3%を占めています。およそ3分の1です。

一方で、300万円未満の世帯も14.9%あります。多い側と少ない側の両方に世帯が広がっていて、ひとつの金額に集まっているわけではありません。

多い側と少ない側の両方に世帯が広がっています2/2

多い側と少ない側の両方に世帯が広がっています

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)-2025年(令和7年)平均結果の概要-(二人以上の世帯)」をもとにLIMO編集部作成

中本 智恵

貯蓄額そのものより、毎月いくら足りないかと、それが何年続くかのほうが計画には効いてきます。手持ちの金額は、その引き算をしてはじめて意味を持ちます。