金利が動き出したことで、記帳した通帳の「利息」の行に目が留まるようになった人もいるのではないでしょうか。
総務省が2026年5月19日に公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果」によると、二人以上の世帯の貯蓄現在高は「2059万円」で、7年連続の増加となりました。ただし、平均を下回る世帯が66.1%を占めています。
銀行の窓口にいた頃は、定期預金を預け入れた方から「満期のときにいくら増えているのか」と尋ねられることが何度もありました。
この記事では、貯蓄現在高の平均と種類別の内訳、そして定期預金の利子から差し引かれる税金について確認していきます。
- 二人以上の世帯の貯蓄現在高は2059万円で7年連続の増加。ただし平均を下回る世帯が66.1%を占める
- 世帯主が65歳以上の無職世帯は2494万円で6年ぶりの減少。定期性預貯金が778万円で最も多い
- 預貯金の利子には20.315%の税金がかかり、通帳に記帳されるのは差し引いた後の金額
1. 貯蓄現在高「2059万円」で7年連続の増加、それでも平均を下回る世帯が3分の2
はじめに、世帯全体の貯蓄がどのくらいの水準にあるのかを確認します。
総務省統計局の家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年平均結果によると、二人以上の世帯の1世帯当たり貯蓄現在高は2059万円でした。
前年に比べ75万円、3.8%の増加となり、比較可能な2002年以降で最も多くなっています。
1.1 貯蓄の平均を下回る世帯が3分の2、中央値は1264万円
ただし、平均値は貯蓄の多い世帯に引き上げられます。
貯蓄現在高階級別の世帯分布をみると、平均値の2059万円を下回る世帯が66.1%と、およそ3分の2を占めていました。
貯蓄を保有する世帯の中央値は1264万円で、前年の1189万円から増えています。貯蓄現在高が0円の世帯を含めた中央値は1167万円です。
平均値と中央値には800万円近い開きがあるため、ご自身の貯蓄額と比べるなら中央値のほうが実感に近いこともあります。
1.2 貯蓄の種類別では通貨性預貯金が最も多い
貯蓄の中身も見ておきます。
二人以上の世帯では通貨性預貯金が710万円で最も多く、貯蓄現在高に占める割合は34.5%でした。
次いで定期性預貯金が511万円(24.8%)、有価証券が440万円(21.4%)、生命保険などが369万円(17.9%)、金融機関外が29万円(1.4%)と続きます。
通貨性預貯金は普通預金や当座預金など、定期性預貯金は定期預金や定期積金などを指します。
通貨性預貯金は17年連続の増加となり、有価証券も前年に比べ63万円、16.7%増えました。
2. 貯蓄「2494万円」は6年ぶりの減少。65歳以上・無職世帯の中身はどうなっている?
次に、年金を主な収入源とする世帯の貯蓄を見ていきます。
2.1 定期性預貯金778万円・通貨性預貯金766万円という内訳
世帯主が65歳以上の無職世帯(二人以上の世帯に占める割合32.0%)の貯蓄現在高は「2494万円」でした。
前年に比べ66万円、2.6%の減少となり、減少するのは6年ぶりです。
種類別では定期性預貯金が778万円と最も多く、通貨性預貯金が766万円、有価証券が510万円、生命保険などが426万円、金融機関外が13万円という内訳でした。
前年と比べると、定期性預貯金は81万円、9.4%の減少、通貨性預貯金は35万円、4.4%の減少となっています。
二人以上の世帯全体とは異なり、定期預金などの定期性預貯金が最も大きな柱になっている点が特徴です。
2.2 貯蓄2500万円以上の世帯はどのくらい?
世帯ごとの差も小さくありません。
世帯主が65歳以上の世帯では、貯蓄現在高が2500万円以上の世帯が約3分の1を占めています。
平均額だけを見て安心したり不安になったりするよりも、まずご自身の残高と内訳を書き出してみることが出発点になります。
二人以上の世帯では通貨性預貯金が最も多い一方、世帯主が65歳以上の無職世帯では定期性預貯金が最大の柱になっています1/2
出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果(二人以上の世帯)」をもとにLIMO編集部作成
なお、金額は表示単位未満を四捨五入しているため、内訳を足し上げても合計と一致しないことがあります。
3. 貯蓄の利子には20.315%の税金がかかる。定期預金778万円ならいくら引かれる?
ここからは、預けた貯蓄からどれだけ利子が生まれ、そこから何が引かれるのかを見ていきます。
3.1 メガバンクの店頭金利は普通預金0.4%、5年もの定期預金1.0%
日本銀行は2026年6月16日の金融政策決定会合で、無担保コールレート(オーバーナイト物)の誘導目標を1.0%程度に引き上げることを決めました。
これを受けて預金金利も動いています。
三菱UFJ銀行が公表している円預金金利(2026年8月26日現在)では、普通預金が年0.4000%、スーパー定期は1年もので年0.5000%、3年もので年0.8000%、5年もので年1.0000%となっています。
3.2 定期預金778万円で試算した利子と税金
預貯金の利子は利子所得にあたり、受け取るときに20.315%が源泉徴収されます。
内訳は所得税および復興特別所得税が15.315%、地方税が5%です。原則として源泉分離課税となるため、確定申告をすることはできません。
先ほどの世帯主が65歳以上の無職世帯の定期性預貯金778万円を、そのまま定期預金に預けたと想定して計算してみます。
年0.5%の1年ものであれば利子は3万8900円、そこから7902円が引かれ、手元に残るのは3万998円です。
年1.0%の5年もの(単利)なら利子は38万9000円、税金は7万9025円で、手取りは30万9975円になります。
定期性預貯金の平均額778万円を、メガバンクの店頭金利で定期預金に預けたと想定した試算です(単利・1円未満切り捨て)2/2
出所:三菱UFJ銀行「円預金金利」(2026年8月26日現在)をもとにLIMO編集部作成
金利が上がったことで受け取れる利子は増えましたが、その分だけ差し引かれる税金も増えています。
