老後のためにいくら貯めておけばよいのか、平均額を目にしても自分に当てはまるのかどうかは分かりにくいものです。

総務省統計局の家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年平均によると、二人以上の世帯のうち世帯主が65歳以上の世帯では、貯蓄現在高が2500万円以上の世帯が36.3%を占めていました。その一方で、300万円未満の世帯も14.9%あります。

この記事では、65歳以上の世帯で貯蓄がどのように分かれているのかと、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の毎月の家計収支を確認していきます。

ココがポイント
  • 世帯主が65歳以上の二人以上世帯では、貯蓄現在高2500万円以上が36.3%を占めた
  • 300万円未満の世帯も14.9%あり、貯蓄保有世帯の中央値は1777万円だった
  • 65歳以上の夫婦のみの無職世帯は、毎月の家計が4万2434円の不足だった

1. 65歳以上の世帯では、貯蓄2500万円以上が36.3%を占めた

まずは、65歳以上の世帯の貯蓄がどのあたりに集まっているのかを見ていきます。

1.1 貯蓄保有世帯の中央値は1777万円

総務省統計局によると、二人以上の世帯のうち世帯主が65歳以上の世帯は、二人以上の世帯全体の42.9%を占めています。この層の貯蓄保有世帯の中央値は1777万円でした。

中央値は、貯蓄現在高が「0」の世帯を除いて少ない順に並べたとき、ちょうど真ん中に位置する世帯の金額です。平均値のように一部の大きな数字に引っ張られないため、全体の真ん中を知る目安になります。

1.2 300万円未満の世帯も14.9%ある

貯蓄現在高の階級別に世帯の分布を見ると、65歳以上の世帯は二人以上の世帯全体と比べて、高い階級にも広がった形になっています。2500万円以上の世帯は36.3%と、およそ3分の1を占めていました。

その一方で、300万円未満の世帯が14.9%あります。同じ65歳以上でも、貯蓄の状況は世帯によって大きく開いていることが分かります。

65歳以上の世帯の貯蓄現在高の分布と、貯蓄保有世帯の中央値1/2

65歳以上の世帯の貯蓄現在高の分布と、貯蓄保有世帯の中央値

出所:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債編)2025年(令和7年)平均結果の概要」をもとにLIMO編集部作成

2. 夫婦のみの無職世帯は、毎月4万2434円の不足だった

貯蓄がどれだけあるかと合わせて見ておきたいのが、毎月の家計がどう回っているかです。

2.1 実収入25万4395円のうち、社会保障給付が89.9%を占める

総務省統計局の家計調査報告(家計収支編)2025年平均によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の実収入は25万4395円でした。このうち社会保障給付が22万8614円で、実収入の89.9%を占めています。

収入のほとんどを公的年金などが支えている形です。現役時代のように収入を増やす手立てが限られるため、支出の側を把握しておくことが大切になります。

2.2 消費支出26万3979円に対し、可処分所得は22万1544円

実収入から税金や社会保険料といった非消費支出3万2850円を差し引いた可処分所得は、22万1544円でした。これに対して消費支出は26万3979円です。

その差額分は4万2434円で、平均消費性向は119.2%となっています。毎月この分を貯蓄の取り崩しなどで補っている計算になります。

65歳以上の夫婦のみの無職世帯で、可処分所得と消費支出に生じている差額2/2

65歳以上の夫婦のみの無職世帯で、可処分所得と消費支出に生じている差額

出所:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」をもとにLIMO編集部作成

中本 智恵

銀行の窓口で個人のお金の相談を受けていた頃、「平均くらいはあったほうがいいのでしょうか」と聞かれることがよくありました。平均や中央値は全体のどのあたりにいるかを知る目安で、必要な額は毎月の収支のほうから決まってきます。