半導体製造装置メーカーのTOWA<6315>の株価が、荒い値動きを続けています。8月上旬に発表した決算は売上高がほぼ倍増する好内容だったにもかかわらず、株価は発表翌営業日に11%を超える急落を演じ、その後も上値の重い展開が続いています。
同社が6日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4-6月期)決算では、AI・データセンター向け半導体の設備投資拡大を追い風に、メモリ及び先端パッケージ分野向けの装置需要を着実に取り込み、受注高は218億1,100万円と四半期ベースで過去最高を記録しました。
25日の株価は前日比+0.52%の2,337円と続伸。24日の米国市場でハイテク株安となったものの、国内ではそれまでの売りによる割安感からAI・半導体関連株にも買いが入りました。
- TOWA<6315>の株価は決算発表翌日に11%超の急落を演じるなど荒い値動きが続いている
- 2027年3月期第1四半期は売上高がほぼ倍増、営業・経常・純利益はいずれも前年同期の赤字から黒字転換
- 四半期の実績はコンセンサスを上回ったが、通期の会社予想はコンセンサスより保守的な水準に据え置き
1. 決算のポイント:増収率は100%超、各段階利益は黒字転換
2026年4-6月期の連結業績は次の通りです(カッコ内は前年同期比)。
- 売上高:161億8,300万円(+100.3%)
- 営業利益:22億1,200万円(前年同期は5億8,100万円の営業損失)
- 経常利益:23億3,200万円(同7億3,200万円の経常損失)
- 最終利益:16億5,700万円(同5億2,800万円の純損失)
前年同期の2025年4-6月期は、米国の関税政策に対する不透明感から顧客企業が設備投資に慎重になったことなどを背景に減収となり、各段階損益が赤字に沈んでいました。今回は前年同期の落ち込みからの反動(前年が低水準だった影響)もあって、売上高は前年同期の80億8,000万円からほぼ倍増する水準まで積み上がった形です。
通期(2027年3月期)の会社予想に対する進捗率は、売上高で25.3%、経常利益で22.8%となっており、いずれも単純な四半期按分(25%)に近いか、それをやや上回るペースです。
2. 稼ぎ頭は「半導体製造装置事業」、メディカルとレーザ加工が続く
TOWAグループは、決算短信の注記上も同一の区分となっている3つの事業セグメントで構成されています。
セグメント:売上高(構成比)/営業損益(営業利益率)
- 半導体製造装置事業:151億3,300万円(93.5%)/21億2,600万円(14.1%)
- メディカルデバイス事業:6億8,000万円(4.2%)/1億3,200万円(19.5%)
- レーザ加工装置事業:3億6,900万円(2.3%)/▲4,600万円(▲12.5%)
主力の半導体製造装置事業は、半導体製造用の精密金型、モールディング装置、シンギュレーション装置などを手がける事業で、売上高の9割以上を占める文字通りの稼ぎ頭です。
今回はこのうち、メモリ分野で高い採用実績を持つモールディング装置の受注が特に好調に推移したことが、全社の増収・黒字転換を牽引しました。
一方、医療用のプラスチック成形品・組立品を扱うメディカルデバイス事業は堅調な需要を背景に19.5%という高い営業利益率を確保しています。レーザ加工装置事業は主力のレーザトリマ装置向け投資の低迷が続き営業損失を計上していますが、赤字幅としては小規模にとどまっています。
TOWAの2027年3月期第1四半期は、AI・データセンター向け半導体の設備投資拡大を背景に、稼ぎ頭である半導体製造装置事業(構成比93.5%)のモールディング装置需要を取り込み、売上高がほぼ倍増、各段階利益は前年同期の赤字から黒字に転換しました。
受注高も四半期ベースで過去最高を更新しています。一方で、この好決算を受けた株価の動きは素直な上昇とはならず、決算発表翌日に大きく売られる展開となりました。