株式市場の振り返り-NY市場の強含みの流れを引き継げず3日続落
2016年3月17日(木)の東京株式市場は小幅ながら3日続落となりました。日経平均株価は前日比▲0.2%の下落、TOPIXは▲0.1%の下落で引けています。なお、東証マザーズ総合指数も▲2.2%の下落となりましました。
日経平均株価は、高く寄り付いた後は17,200円を上回る水準で推移し、一時は前日比+278円高となる場面が見られました。ところが、後場に入ってから一転して弱含み始め、一時は前日比▲160円まで売られました。すると、引けにかけて値を戻し始め、結局、終値は前日比▲38円安の16,936円となりました。
東証1部で上昇したのは872銘柄、値下がり910銘柄、変わらず157銘柄でした。東証1部の出来高は22億729万株、売買代金は2兆2,618億円(概算)となっています。売買代金は、2兆円を割り込んだ昨日よりは増加しましたが、依然として薄商いのままです。
セクター動向と主要銘柄の動き-14業種が上昇、19業種が下落
東証1部で上昇したのは14業種、下落したのは19業種でした。上昇率上位は、鉱業+2.2%、建設業+0.8%、石油石炭+0.6%、銀行+0.5%などでした。一方、下落率が大きかったのは、空運▲1.2%、電気ガス▲1.2%、その他製品▲1.1%などとなっています。業種の動きに大きな方向感はなかったと思われます。
個別銘柄では、特段目立った動きを見せた銘柄が少なかった中、昨日に続いてソニー(6758)の堅調ぶりが目を引きました。また、ローソン(2651)などのコンビニ株も存在感を示したと言えましょう。逆に、電機セクターの中では東芝(6502)が大幅下落となりました。住友不動産(8830)などの不動産株も軟調に推移しました。
本日のポイントと注目テーマと関連業種-1月の日銀金融政策決定会合の議事要旨が公表。意外な波乱要因になるか?
注目されていたFOMC後の議長会見では、利上げ実施の回数が限定されるなど、ややサプライズがありました。これを受けて、NY株式市場は強含みで終わり、東京市場を含めたアジア株式市場も、その流れを引き継いで前日比で高く始まります。ここまでは良い展開でした。しかし、アジア株式市場の全面高と思われた時、東京市場が後場になってから下げに転じ、結局は小幅マイナスで終わる展開となりました。ちなみに、他のアジア市場は、上海や香港の大幅高を始め、概ね上昇して終わっています。
17日の相場を例えるなら、FOMC声明を受けて強含んだNY市場から渡された“株高”というバトンを、東京市場が途中で落としてしまったようなものです。リレー競技のバトン引継ぎミスで大きく後れを取ったところでしょうか。ただ、まだ引継ぎミスで“失格”にはなっていません。東京市場は、落としてしまったバトンを拾い上げ、早くリレー競技に復帰して欲しいところです。
さて、FOMCが終わったことで、目先の大きなイベントは終了しました。ただ、18日(金)には、1月末に行われた日銀政策決定会合の議事要旨が公表されます。初のマイナス金利導入を決めた政策決定会合において、どのような議論が交わされたのか注目です。内容次第では、金曜日の株価を動かす可能性は十分あるでしょう。
このような状況も鑑み、18日は金融セクター、とりわけ、メガバンク株に注目です。また、一昨日から政府官邸で行われている経済動向ヒアリングに絡み、小売株、不動産株などの内需関連セクターにも注目しましょう。
【2016年3月17日 投信1編集部】
■参考記事■
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LIMO編集部