基本的に9月には、年金を受け取る世帯のもとに「扶養親族等申告書」が届き、翌年の年金にかかる税金の準備が始まります。
老後の家計は、年金という収入の柱と、これまで築いた貯蓄の取り崩しで成り立ちます。まずは同じ世代がどれくらい蓄えているのかを、平均と中央値の両方で確かめておきたいところです。
そこで今回は、60歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値を確認します。あわせて、秋に届く「扶養親族等申告書」と、年金にかかる税金のしくみを、元証券会社員の視点で整理していきましょう。
60歳代は年金を受け取り始め、2カ月に一度の年金支給から生活費をどう振り分けるか考えたり、年金の各種手続きや書類などに慣れたりする時期でもあります。9月から順次送られる年金の「扶養親族等申告書」についても今回は確認し、年金生活にも慣れていきましょう。
- 60歳代・二人以上世帯の平均貯蓄額と中央値はいくらか
- 秋(9〜10月)に届く「扶養親族等申告書」の役割
- 年金から税金が引かれる・引かれないの境目(令和8年分)
1. 【60歳代二人以上世帯の平均貯蓄額】中央値はいくらか?
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、60歳代・二人以上世帯の金融資産保有額は次のとおりです。
※金融資産保有額とは、預貯金だけでなく株式、投資信託、生命保険などを含んだ金額です。ただし、日常的に使う普通預金の残高は含まれていません。
1.1 60歳代二人以上世帯の貯蓄額(平均・中央値)
- 60歳代二人以上世帯:平均2683万円/中央値1400万円
平均は2683万円、中央値は1400万円です。2000万円以上の世帯が39.6%と4割近くにのぼる一方、貯蓄のない世帯も12.8%みられます。
平均が中央値を大きく上回るのは、蓄えの厚い一部の世帯が全体を引き上げているためです。平均額だけをみて安心したり落ち込んだりせず、実感に近い中央値もあわせて、わが家の位置を確かめておきたいところです。

