「40代 貯蓄 中央値」「40代 平均貯蓄」――。2026年8月下旬、Googleの検索トレンドにこうした言葉が相次いで急上昇しました。
夏のボーナスが一段落し、家計の現状を見直すタイミングだからこそ気になる人が増えているのかもしれません。
金融経済教育推進機構(J-FLEC)が2025年12月に公表した「家計の金融行動に関する世論調査(2025年)」によると、40歳代・二人以上世帯の貯蓄額(金融資産保有額)の中央値は500万円。
実はこの数字、前年の調査からわずか1年で2倍に跳ね上がっています。
その一方で、40歳代のうち金融資産を「まったく持っていない」世帯も一定数残ったままです。
中央値が上がったからといって、40歳代全体が順調に貯蓄を積み上げているとは限らない――そんなギャップが数字の裏に隠れています。
本記事では、J-FLECの最新調査データを円グラフで見える化しながら40歳代の貯蓄の実態を整理し、後半では検索トレンドでも注目を集めた「財形貯蓄」制度についてもあわせて解説します。
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40歳代・二人以上世帯の貯蓄中央値は500万円で、前年の250万円からわずか1年で倍増した。
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40歳代単身世帯の中央値は100万円にとどまり、約3割が金融資産を持たない「貯蓄ゼロ」世帯である。
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全世代平均の中央値720万円と比べると、40歳代・二人以上世帯はまだ220万円低い水準にある。
1. 40歳代の貯蓄「中央値」はいくら?J-FLEC最新調査でみる実態
「家計の金融行動に関する世論調査」は、金融経済教育推進機構(J-FLEC、旧・金融広報中央委員会「知るぽると」)が全国の世帯を対象に毎年実施している調査です。
2025年調査(2025年12月18日公表)は、二人以上世帯・単身世帯それぞれについて、預貯金や株式、投資信託、保険などを合計した「金融資産保有額」を尋ねています。
まず二人以上世帯の40歳代(世帯主が40歳代)を見ると、貯蓄ゼロの世帯を含めた金融資産保有額は、平均1486万円、中央値500万円でした。
平均は一部の高額保有世帯に引っ張られやすいため、実感に近い「ちょうど真ん中の世帯」の数字である中央値のほうが参考になります。
- 金融資産を保有していない(貯蓄ゼロ):18.8%
- 100万円未満:10.0%
- 100万~200万円未満:6.2%
- 200万~300万円未満:5.1%
- 300万~500万円未満:7.0%(300万~400万円未満4.4%+400万~500万円未満2.6%)
- 500万~1000万円未満:13.4%(500万~700万円未満7.3%+700万~1000万円未満6.1%)
- 1000万~2000万円未満:16.2%(1000万~1500万円未満9.7%+1500万~2000万円未満6.5%)
- 2000万円以上:21.3%(2000万~3000万円未満8.2%+3000万円以上13.1%)
- 無回答:2.1%
- 平均:1486万円、中央値:500万円
40歳代・二人以上世帯の貯蓄中央値500万円は、実は前年(2024年)調査の250万円からちょうど2倍に増えています。
2024年調査では平均944万円・中央値250万円、貯蓄ゼロ世帯の割合も25.7%でした。1年で中央値が倍増し、貯蓄ゼロ世帯の割合も18.8%まで下がったことになります。
ただし、年代別の中央値は全体調査に比べて集計対象の世帯数が絞られるため、年によるブレ(サンプル誤差)が生じやすい数値でもあります。1年でここまで大きく動いた背景については、来年以降の調査での推移もあわせて確認していきたいところです。
2. 単身世帯の40歳代は中央値100万円――全世代との差はどこにあるか
次に単身世帯の40歳代です。金融資産保有額は平均859万円、中央値100万円でした。
二人以上世帯と比べて中央値の水準は大きく異なりますが、これは住居費や教育費の分担構造が異なることが背景にあるとみられます。
- 金融資産を保有していない(貯蓄ゼロ):32.1%
- 100万円未満:15.1%
- 100万~200万円未満:7.1%
- 200万~300万円未満:5.9%
- 300万~500万円未満:6.5%(300万~400万円未満4.3%+400万~500万円未満2.2%)
- 500万~1000万円未満:10.8%(500万~700万円未満6.2%+700万~1000万円未満4.6%)
- 1000万~2000万円未満:7.4%(1000万~1500万円未満6.2%+1500万~2000万円未満1.2%)
- 2000万円以上:12.7%(2000万~3000万円未満2.8%+3000万円以上9.9%)
- 無回答:2.5%
- 平均:859万円、中央値:100万円
単身世帯の40歳代は、約3人に1人にあたる32.1%が「貯蓄ゼロ」という結果でした。
前年(2024年)調査では平均883万円・中央値85万円・貯蓄ゼロ33.3%で、中央値は1年で85万円から100万円へと緩やかに増えた一方、貯蓄ゼロの割合はほぼ横ばいです。
なお、J-FLECの調査では単身世帯全体(全年代)の平均は919万円で、40歳代単身の平均859万円とほぼ近い水準にあります。二人以上世帯では全年代の中央値が720万円であるのに対し、40歳代はまだ220万円低いこととあわせて考えると、40歳代という年代は教育費や住宅ローンなど支出が重なりやすく、資産形成のペースが他の年代よりゆるやかになりやすい時期だとうかがえます。
3. 筆者からのコメント
中央値だけを見ると「40歳代はこれくらい貯めていて当然」と焦ってしまいがちですが、今回のデータが示す通り、40歳代の内訳は貯蓄ゼロの世帯から3000万円以上を保有する世帯まで大きく分かれています。
平均や中央値はあくまで「代表値」であり、自分の世帯がその分布のどのあたりに位置するかを確認することのほうが、実は重要な作業です。
J-FLECの公式サイトでは、年代別・世帯構成別の詳しい内訳データが公開されているほか、生活設計に関する相談窓口の案内も掲載されています。
「平均より少ない」「中央値に届いていない」と感じた場合も、それだけで一喜一憂せず、まずは自分の世帯の支出と資産の状況を棚卸しすることから始めてみてはいかがでしょうか。



