2026年度の年金額は、国民年金が1.9%、厚生年金が2.0%の引き上げとなりました。ただし実際に受け取る額は、現役時代の働き方によって大きく変わります。
厚生労働省は「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」のなかで、経歴類型別に「多様なライフコースに応じた年金額」の概算を示しています。2026年度に65歳になる人を想定した5つのパターンです。
この記事では、その5パターンの金額を確認したうえで、年齢別の平均月額と、受給開始が近づいたときに届く書類について見ていきます。
- 2026年度の年金額は国民年金1.9%、厚生年金2.0%の引き上げ。老齢基礎年金の満額は月7万608円
- ライフコース別の年金月額は、男性・厚生年金期間中心の17万6793円から、女性・国民年金期間中心の6万1771円まで開きがある
- 年金請求書は受給開始年齢の3カ月前に届く。登録住所と現住所が違うと届かないことがある
なお、年齢別の平均受給額や2026年度の改定に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
1. 2026年度の年金額は4年度連続のプラス改定
まず全体の改定内容を確認します。公的年金の額は、物価や賃金の動向を踏まえて年度ごとに見直されます。
1.1 国民年金1.9%、厚生年金2.0%の引き上げ
2026年度は前年度から、国民年金(基礎年金)が1.9%、厚生年金(報酬比例部分)が2.0%引き上げられました。
金額で見ると、老齢基礎年金の満額は1人分で月7万608円となり、前年度から1300円増えました。厚生年金は夫婦2人分のモデルケースで月23万7279円、前年度から4495円の増加です。
なお昭和31年4月1日以前に生まれた方の老齢基礎年金の満額は、月7万408円です。
1.2 反映されるのは6月支給分から
公的年金は偶数月の15日に、前月までの2カ月分がまとめて支給されます。15日が土日の場合は直前の平日に前倒しされます。
この改定率が適用されるのは、2026年6月に支給される4月分と5月分の年金からです。
通知書については、LIMOの記事「【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?」から要点を引用して確認しておきましょう。
この新しい改定率は、2026年6月に支給される4月・5月分から反映されます。年金受給者には、6月の支給に合わせて日本年金機構から改定後の年金額が記載された通知書が送付されます。
出所:【2026年最新】60歳~89歳の年金一覧表!年代別の平均受給額と「手取り・非課税世帯」のリアル!年金口座の「凍結リスク」とは?
2. ライフコース別に見た年金月額の5パターン
ここからが本題です。厚生労働省は今回の改定発表とあわせて、年金加入の経歴を5つのパターンに分け、2026年度に65歳になる人を想定した年金額の概算を示しました。
2.1 男性は厚生年金中心と国民年金中心で11万3280円の差
男性のパターンは2つです。厚生年金期間が中心のケースでは、年金月額が17万6793円でした。平均の厚生年金期間は39.8年、平均収入は50万9000円で、内訳は基礎年金6万9951円と厚生年金10万6842円です。前年度からは3336円の増加になります。
一方、国民年金(第1号被保険者)期間が中心のケースでは6万3513円です。平均の厚生年金期間は7.6年、平均収入は36万4000円で、内訳は基礎年金4万8896円と厚生年金1万4617円でした。前年度からは1169円の増加です。
2つのパターンの差は11万3280円になります。同じ男性でも、現役時代にどちらの制度を中心に加入していたかで大きく変わることが分かります。
2.2 女性は3パターンで6万円台から13万円台まで
女性のパターンは3つ示されています。
厚生年金期間が中心のケースは13万4640円で、平均の厚生年金期間は33.4年、平均収入は35万6000円です。内訳は基礎年金7万1881円と厚生年金6万2759円、前年度からは2523円の増加でした。
国民年金(第1号被保険者)期間が中心のケースは6万1771円です。平均の厚生年金期間は6.5年、平均収入は25万1000円で、内訳は基礎年金5万3119円と厚生年金8652円、前年度からは1135円増えています。
第3号被保険者期間が中心のケースは7万8249円でした。平均の厚生年金期間は6.7年、平均収入は26万3000円で、内訳は基礎年金6万9016円と厚生年金9234円、前年度からは1439円の増加です。
5つのパターンを並べると、厚生年金の加入期間と現役時代の収入が年金額を大きく左右することが見て取れます。
厚生労働省が示した経歴類型別の年金額。2026年度に65歳になる人を想定した概算で、最も高いケースと低いケースでは11万5022円の開きがあります。1/2
出所:厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」をもとにLIMO編集部作成
平均額よりも、この5パターンのほうが自分に近いものを見つけやすいと思います。厚生年金の加入年数と平均収入が併記されているので、自分の記録と突き合わせる材料になります。

