5. 【資産寿命】貯蓄1000万円を毎月7万円ずつ取り崩すと11.9年
あと何年分の蓄えがあるのかが分かれば、次の手を考えやすくなります。
ここでは貯蓄1000万円を毎月7万円ずつ取り崩す場合を試算します。年金と支出の差額が月7万円ある方が対象のイメージです。
5.1 1000万円でも月7万円なら10年台で終わる
- 貯蓄額:1000万円
- 毎月の取り崩し額:7万円
- 年間の取り崩し額:84万円
- 資産寿命:11.9年
- 65歳から始めた場合:76歳頃まで
65歳から取り崩し始めると、70歳代の後半にあたる76歳頃で底をつく計算です。取り崩し額を抑えるか、収入を増やす手立てを考えておきたいところです。
※1000万円÷(7万円×12)で求めた単純計算です。運用益や物価上昇、介護費用や住宅修繕といった突発的な支出は考慮していません。
取り崩し額を月1万円減らして6万円にすると、資産寿命は13.9年へ2.0年延びます。1000万円という規模でも、月7万円のペースでは10年台で使い切る計算です。
5.2 1.7年の上積みでは80歳代に届かない
残った資産を年率2パーセントで運用しながら取り崩すと、資産寿命は11.9年から13.6年へ、1.7年延びる計算になります。65歳から始めた場合、76歳頃までだったものが78歳頃までに動きます。
ただし運用の成績は毎年変わります。取り崩しの初期に相場が下がると、元本の回復を待てずに資産が目減りします。当面必要な生活費は現金で確保し、下落した年は使う額を抑える工夫が要ります。
貯蓄1000万円を月7万円で取り崩すなら11.9年が目安です。運用で2年ほど延ばせても、80歳を超える期間はカバーできません。取り崩し額そのものの見直しもあわせて検討してみてください。
6. 老後資金は平均ではなく分布の中の自分の位置から考える
厚生年金の受給額は月1万円未満から30万円以上まで分かれ、最も多いのは10万円以上11万円未満の111万2828人です。平均の15万289円は分布上ではやや上の位置になります。
国民年金は6万円以上7万円未満に1715万5059人が集中しており、厚生年金ほど幅は広がりません。
収入のすべてが公的年金という高齢者世帯は41.3%で、80%以上を合わせると58.4%です。65歳以上の夫婦は月約4万2000円、単身は2万9980円が不足しています。まずは「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で自分の見込み額を確かめてみてください。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」II 各種世帯の所得等の状況
- 厚生労働省「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」用語の説明
- 総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」
- 日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」
- 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」
- 日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」
- 厚生労働省「年金制度改正法が成立しました」
齊藤 慧
