年金の平均額を見ても、自分が受け取る額と近いのかどうかは分かりません。同じ制度に入っていた人の間で、受給額は驚くほど幅があります。
厚生労働省の集計では、厚生年金の受給額は月1万円未満から30万円以上まで分かれています。平均は15万289円ですが、その前後にどれくらいの人がいるのかを見ないと自分の位置はつかめません。
本記事では、厚生年金・国民年金の受給額分布と平均月額、高齢者世帯の年金への依存度、そして65歳以上世帯の家計収支を解説します。
なお、65歳以上世帯の家計収支や年金額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。
- 厚生年金の受給額は月1万円未満から30万円以上まで分かれ、最多層は10万円以上11万円未満です
- 国民年金は6万円以上7万円未満に1715万5059人が集まっています
- 収入のすべてが公的年金・恩給という高齢者世帯は41.3%です
1. 老後資金の個人差。厚生年金は月1万円未満から30万円以上まで
老後の生活を支える公的年金ですが、受給額は年金加入状況で決まるため人によって異なります。まずどれくらいの幅があるのかを見ていきましょう。
1.1 厚生年金の受給額分布を1万円ごとに見る
- ~1万円:4万3399人
- 1万円以上~2万円未満:1万4137人
- 2万円以上~3万円未満:3万5397人
- 3万円以上~4万円未満:6万8210人
- 4万円以上~5万円未満:7万6692人
- 5万円以上~6万円未満:10万8447人
- 6万円以上~7万円未満:31万5106人
- 7万円以上~8万円未満:57万8950人
- 8万円以上~9万円未満:80万2179人
- 9万円以上~10万円未満:101万1457人
- 10万円以上~11万円未満:111万2828人
- 11万円以上~12万円未満:107万1485人
- 12万円以上~13万円未満:97万9155人
- 13万円以上~14万円未満:92万3506人
- 14万円以上~15万円未満:92万9264人
- 15万円以上~16万円未満:96万5035人
- 16万円以上~17万円未満:100万1322人
- 17万円以上~18万円未満:103万1951人
- 18万円以上~19万円未満:102万6888人
- 19万円以上~20万円未満:96万2615人
- 20万円以上~21万円未満:85万3591人
- 21万円以上~22万円未満:70万4633人
- 22万円以上~23万円未満:52万3958人
- 23万円以上~24万円未満:35万4人
- 24万円以上~25万円未満:23万211人
- 25万円以上~26万円未満:15万796人
- 26万円以上~27万円未満:9万4667人
- 27万円以上~28万円未満:5万5083人
- 28万円以上~29万円未満:3万289人
- 29万円以上~30万円未満:1万5158人
- 30万円以上~:1万9283人
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
※厚生年金の月額には国民年金の金額を含みます。厚生年金の被保険者は第1号~第4号に区分されており、ここでは民間企業などに勤めていた人が受け取る「厚生年金保険(第1号)」の年金月額を紹介しています。
最も人数が多いのは10万円以上11万円未満の111万2828人です。9万円台から19万円台までが100万人前後で並び、そこに大きな山ができています。
一方で30万円以上も1万9283人います。同じ厚生年金でも、加入期間と当時の収入によって結果はここまで分かれます。
1.2 国民年金は6万円台に集まる
- 1万円未満:5万1828人
- 1万円以上~2万円未満:21万3583人
- 2万円以上~3万円未満:68万4559人
- 3万円以上~4万円未満:206万1539人
- 4万円以上~5万円未満:388万83人
- 5万円以上~6万円未満:641万228人
- 6万円以上~7万円未満:1715万5059人
- 7万円以上~:299万7738人
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
国民年金は6万円以上7万円未満に1715万5059人が集まります。厚生年金と違って分布が広がらず、満額に近い層に固まる形です。
保険料が所得にかかわらず一律なので、納めた月数がそのまま結果に表れます。未納や免除の期間があると、その分だけ下の階級に寄ることになります。
2. 老後資金の目安になる年金の平均月額は厚生年金15万289円
公的年金は1階の国民年金と2階の厚生年金という2階建ての仕組みで、どの制度に何年入っていたかで受給額が変わります。平均の水準も押さえておきましょう。
厚生年金・国民年金の平均月額について、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から要点を引用して確認しておきましょう。
厚生年金の平均年金月額は〈全体〉15万289円、〈男性〉16万9967円、〈女性〉11万1413円(いずれも国民年金の金額を含む)。国民年金は〈全体〉5万9310円、〈男性〉6万1595円、〈女性〉5万7582円です。年金の受給額はこれまでの加入状況によって決まるため、人によって大きな差が生じる点には注意が必要です。
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
平均15万289円は分布上では15万円以上16万円未満の階級にあたり、そこにいるのは96万5035人です。分布全体で見れば真ん中よりやや上の位置になります。
3. 老後資金が年金だけという高齢者世帯は4割を超える
受給額の差がそのまま暮らしの差になるのは、年金への依存度が高い世帯です。実際にどれくらいの世帯が年金だけで生活しているのかを見ていきます。
厚生労働省が公表した「2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況」によると、高齢者世帯(※)全体では収入の61.3%を「公的年金・恩給」が占め、次いで「稼働所得」が25.9%、「財産所得」が5.8%となっています。
ただし「公的年金・恩給を受給している世帯」に絞ると、収入のすべてが公的年金・恩給である世帯が41.3%にのぼります。
※高齢者世帯:65歳以上の者のみで構成するか、又はこれに18歳未満の者が加わった世帯
3.1 総所得に占める公的年金・恩給の割合別の世帯構成
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が100%の世帯:41.3%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が80~100%未満の世帯:17.1%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が60~80%未満の世帯:14.1%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が40~60%未満の世帯:13.6%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20~40%未満の世帯:9.7%
- 公的年金・恩給の総所得に占める割合が20%未満の世帯:4.2%
割合が80%以上の世帯を合わせると58.4%です。6割近くの世帯で、年金が家計の柱になっているといえます。
4. 老後資金の不足額は夫婦で月約4万2000円、単身で2万9980円
年金が柱になっている世帯の家計はどうなっているのでしょうか。まず夫婦世帯について、LIMOの記事「【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説」から要点を引用します。
総務省統計局「家計調査報告 家計収支編 2025年(令和7年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、実収入の合計が25万4395円(うち公的年金などの社会保障給付が22万8614円)、支出は消費支出26万3979円と非消費支出3万2850円を合わせて29万6829円。単純計算で毎月約4万2000円が不足し、この収支差が続くと1年間で約50万円、10年間で約500万円の不足となります。
出所:【最新データ】老後の「ふつう」が分かる!65歳以上の平均貯蓄額と年金月額は?老後夫婦のリアルな生活費と家計収支を解説
単身世帯も見ておきましょう。「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説」から引用します。
65歳以上の無職単身世帯では、実収入13万1456円(うち社会保障給付12万212円)に対し、支出は消費支出14万8445円と非消費支出1万2990円を合わせて16万1435円。毎月2万9980円が不足している計算になります。
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
自分の年金見込み額は「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認できます。分布のどこにいるかを知り、そこから毎月の不足額を見積もるのが老後資金の設計の順序になります。





