金利の先高観や中東情勢を巡る先行き不透明感を背景に、東京市場は方向感の定まらない展開が続いています。こうしたなかで気になるのが、これまで相場をけん引してきたAI・半導体関連株の動向です。足元ではこの関連株の中でも物色対象を絞り込む銘柄選別が進んでおり、調整の動きも出ています。

この関連株の一角に数えられる、データセンタ関連製品を手がける古河電気工業(5801)でも、直近1週間は上昇と急落を繰り返す荒い値動きが続いています。
 

ココがポイント
  • AI・半導体関連株で銘柄選別が進むなか、古河電工も荒い値動きが続く
  • データセンタ需要でQ1大幅増収増益、通期経常利益予想を43.0%上方修正
  • 光ソリューション・情報コンポーネントが牽引、エネルギーインフラも別要因で大幅増益

1. 2027年3月期第1四半期はQ1として2001年度以降過去最高

同社株は21日、前日比▲46円(▲1.19%)安の3,818円で取引を終えました。6日に発表した2027年3月期第1四半期(4〜6月期)決算の好感から発表後は買われる局面もあったものの、足元ではAI・半導体関連株全体の荒い値動きに押される展開となっています。

同社が発表した1Q決算は、データセンター向け光関連製品の需要拡大を追い風に、売上高は前年同期比24.3%増の3,652億2,100万円、営業利益は3.1倍の254億5,700万円、経常利益は4.0倍の309億5,300万円、純利益は4.4倍の222億2,900万円と大幅な増収増益を達成しました。

さらに、通期業績予想を上方修正しました。

  • 売上高:1兆4,600億円→1兆5,300億円(+5%
  • 営業利益:950億円→1,230億円(+29.5%)
  • 経常利益:1,000億円→1,430億円(+43.0%)
  • 純利益:820億円→1,050億円(+28.0%)

前期実績比では売上高+17.0%、営業利益+92.6%、経常利益+88.5%、純利益+44.8%の計画です。

2. 牽引したのはデータセンタ関連の2セグメント、エネルギーインフラも別要因で大幅増

古河電工は2026年4月1日付で報告セグメントを「光ソリューション」「情報コンポーネント」「エネルギーインフラ」「自動車電装システム」「メタルソリューション」「サービス・開発等」の6区分に変更しています。

このうち増益をけん引したのは、生成AI・クラウド需要を追い風にした光ソリューションと情報コンポーネントの2セグメントです(カッコ内は前年同期比)。

  • 光ソリューション:売上高600億円(+45.6%)、営業利益92億円(前年同期の営業損失から99億円改善して黒字転換)
  • 情報コンポーネント:売上高596億円(+32.8%)、営業利益74億円(+105.2%)

このほか、国内の地中線・機能線の売上が堅調だったことに加え、中国子会社の連結除外もあり、エネルギーインフラも売上高360億円(+9.7%)、営業利益30億円(+220.7%)と大幅増益になっています。

同社はまた、光ファイバー・光ファイバーケーブルの生産能力増強に約1,000億円を投じることを明らかにしており、米国・ブラジル・日本・インドの4カ国で2028年度下期から順次稼働させる計画です。データセンタ向け需要の取り込みが、光ソリューション・情報コンポーネントの伸びを支える形になっています。