米長期金利の再上昇や中東情勢の先行き不透明感、それに伴う原油高への警戒感を受けて、東京市場は軟調な動きが続いています。
こうした地合いのなかで気になるのは、ここ数カ月の日本株市場をけん引してきたAI・半導体関連株の動向です。このうちJX金属(5016)は、8月に入って決算発表を挟み荒い値動きが続いています。
同社の株価は21日、前日比▲33円(▲0.91%)の3,598円で取引を終え、小幅に続落しました。同社は2026年8月6日の大引け後に2027年3月期第1四半期(4〜6月)決算を発表し、増収増益に加えて通期の純利益予想を大幅に上方修正しましたが、決算翌営業日の8月7日には前日比▲6.18%の3,886円まで急落する展開になりました。
その後も値動きは荒く、8月17日には+5.68%の4,000円まで戻す場面があった一方、8月19日には▲6.63%の3,561円まで急落するなど、方向感の定まらない展開が続いています。
- 2027年3月期1Q決算は増収増益、通期純利益予想を23.7%上方修正し最高益更新の見通し
- 好決算・上方修正でも市場予想(コンセンサス)に届かず、株価は決算翌営業日に急落
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AIサーバー向け半導体材料が業績のけん引役、バリュエーション評価も解説
1. 2027年3月期1Q決算は増収増益、通期予想を上方修正
JX金属が8月6日に発表した2027年3月期第1四半期(4〜6月)決算は、売上高2,606億400万円(前年同期比+36.2%)、営業利益814億4,600万円(同+175.5%)、純利益530億7,000万円(同+181.3%)と、いずれも大幅な増収増益になりました。
これを受けて同社は通期(2027年3月期)の業績予想を上方修正し、売上高は9,300億円から1兆250億円(前期比+15.9%)、営業利益は1,900億円から2,320億円(前期比+32.6%)、税引前利益は1,780億円から2,210億円(前期比+30.7%)、純利益は1,140億円から1,410億円(前期比+34.7%)へ、それぞれ引き上げられました。
上方修正の幅を修正前予想との比較で見ると、売上高は10.2%、営業利益は22.1%、税引前利益は24.2%、純利益は23.7%の上乗せです。
なお、通期の1株当たり配当予想は20円で、修正前から変更はありません。
なぜ増益が続いているのか、事業別に見ていきましょう
2. 増益が続いているワケとは
JX金属は非鉄金属大手で、銅を中心とした資源開発・製錬・リサイクルを担う「基礎材料」、スマートフォン向け圧延銅箔などを手がける「情報通信材料」、そして半導体製造に使うスパッタリングターゲットなどを手がける「半導体材料」の3セグメントを持ちます。
1Q(4〜6月、3カ月)のセグメント別営業利益を見ると、基礎材料が567億8,600万円(前年同期比+288.4%、営業利益率48.9%)と最も大きく伸びました。円安と銅価格の上昇が主な背景です。半導体材料は144億1,200万円(同+68.9%、営業利益率27.7%)、情報通信材料は130億6,400万円(同+70.7%、営業利益率14.3%)と、いずれも高い伸びを示しました。
1Qの大幅増益は、円安や銅価格上昇による市況追い風が主因です。一方で、AIサーバーや先端ロジック・メモリ向けの需要拡大を背景としたスパッタリングターゲットや高機能銅合金の増販、スマートフォン向け圧延銅箔の持ち直しなど、先端材料分野の構造的な底上げも増益を後押ししています。
それでも市場の事前予想(コンセンサス)には届かなかったとみられ、株価は決算後に大幅安となり、その後も荒い値動きが続いています。