お盆の帰省で顔を合わせたご両親から、「年金だけでは正直厳しい」という本音をふと漏らされた方もいるのではないでしょうか。

実際、ハルメクホールディングスが2026年8月に公表した【お金に関する意識・実態調査2026】では、投資を実践している人の割合が64.8%と前年より5ポイント上昇するなど、物価高のなか年金を補う手立てを自ら探すシニアの姿が浮き彫りになりました。

その一方で、資産運用や節約に励む前に、まず利用すべき公的な上乗せ給付があることは、案外知られていません。

2026年度、公的年金を補う「年金生活者支援給付金」が増額されたのをご存じでしょうか。

しかもこの給付金、自分で手続きをしなければ1円も受け取れない「申請主義」を採用しています。

本記事では、2026年度に増額された年金生活者支援給付金の対象条件・支給額・申請方法に加え、同じ時期にご家庭へ届き始めているもうひとつの重要書類「意向確認書」の注意点もあわせて解説していきます。

※本記事は一部「年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説」を引用のもと執筆しています。

年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説

 

ココがポイント
  • 2026年度は増額!老齢基礎年金なら月額5620円、夫婦で年間約13.5万円の上乗せに。
  • 対象者は主に3つの要件あり。65歳以上で世帯全員が住民税非課税、前年所得が基準以下など。
  • 自動ではもらえない「申請主義」。日本年金機構から届く封筒を見逃さず、必ず返送が必要。

1. 【2026年度版】年金生活者支援給付金とは?夫婦で年間約13.5万円が上乗せされるケースも

年金生活者支援給付金は、2019年10月の消費税率引き上げを財源として開始された、公的年金を補うための制度です。

給付額は毎年の物価変動に合わせて改定され、2026年度は前年度から3.2%の増額が決定しました。

老齢基礎年金を受給している方が対象の「老齢年金生活者支援給付金」の基準額は、以下のように増額されています。

  • 2025年度:月額5450円
  • 2026年度:月額5620円(+170円)

2026年度は月額5620円が基準となり、1人あたり年間で約6万7000円が上乗せされます。例えば、ご夫婦ともに支給要件を満たす場合、世帯合計で年間約13万5000円の給付となり、家計にとって大きな助けとなるでしょう。

ただし、この給付金は自ら手続きをしないと受け取れない「申請主義」が採用されています。

対象に該当していても、請求手続きを完了させなければ支給されないため、制度内容を正しく理解しておくことが大切です。

2. 年金生活者支援給付金は3種類!2026年度の「老齢・障害・遺族」別支給額を解説

年金生活者支援給付金は、受け取っている基礎年金の種類によって「老齢」「障害」「遺族」の3つに分類されます。

  • 老齢年金生活者支援給付金:老齢基礎年金を受給している方向け
  • 障害年金生活者支援給付金:障害基礎年金を受給している方向け
  • 遺族年金生活者支援給付金:遺族基礎年金を受給している方向け

2026年度のそれぞれの月額支給額は、次のようになっています。

  • 老齢年金生活者支援給付金(基準額):月額5620円
  • 障害年金生活者支援給付金:1級は月額7025円、2級は月額5620円
  • 遺族年金生活者支援給付金:月額5620円(※子の人数に応じて加算あり)

老齢年金生活者支援給付金については、基準額をもとに、国民年金保険料を納めた期間や免除された期間に応じて、一人ひとりの支給額が計算されます。

支給方法は公的年金と同じで、2カ月分がまとめて偶数月に支払われます。

3. 【老齢年金】年金生活者支援給付金を受け取るための3つの条件

3種類の給付金のうち、最も対象者が多い「老齢年金生活者支援給付金」の支給を受けるためには、下記の3つの要件をすべてクリアする必要があります。

老齢年金生活者支援給付金の支給要件2/2

老齢年金生活者支援給付金の支給要件

出所:厚生労働省「年金生活者支援給付金制度について」をもとにLIMO編集部作成

  1. 65歳以上で老齢基礎年金を受給している
  2. 同じ世帯の全員が市町村民税非課税である
  3. 前年の公的年金などの収入金額(※1)とその他の所得の合計額が、昭和31年4月2日以降に生まれた方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれた方は80万6700円以下である(※2)

※1 障害年金や遺族年金といった非課税収入は含まれません。
※2 昭和31年4月2日以降生まれの方で80万9000円を超え90万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方で80万6700円を超え90万6700円以下の方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給されます。

4. 申請手続きは「封筒の色」に注目!3つのケース別ガイド

給付金の支給対象となる可能性がある方には、日本年金機構から申請手続きに関する案内が郵送されます。ご自身の状況に応じて、忘れずに手続きを進めましょう。

4.1 【ケース1】すでに年金を受給中で、新たに給付金の対象となった方(うす緑色の封筒)

毎年9月上旬ごろから、対象者の方へ「うす緑色の封筒」で「年金生活者支援給付金請求書(はがき型)」が届きます。

これは新たに対象者となったことを知らせる重要な案内ですので、見逃さないように注意しましょう。

請求書に必要事項を書いて、付属の目隠しシールを貼り付け、ポストに投函するだけで申請は完了します。

4.2 【ケース2】これから65歳を迎え、年金の受給を開始する方(緑色の封筒)

65歳になる約3カ月前に送付される「年金請求書(事前送付用)」が入った「緑色の封筒」に、給付金の請求書も一緒に入っています。

必要事項を記入し、年金の受給が始まる誕生日の前日以降に、お近くの年金事務所へ提出します。

4.3 【ケース3】老齢基礎年金を繰上げ受給中の方(うすだいだい色の封筒)

65歳になる誕生月の初めごろに、「うすだいだい色の封筒」で、はがき型の請求書が届きます。こちらもケース1と同じように、記入後にポストへ投函すれば手続きは完了です。

※「年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説」では、さらに詳しい情報をお届けしています。給付金手続きの疑問点などを解消するヒントとしてぜひお役立てください。

5. 監修者からのコメント

熊谷 良子

対象となる方に届くはがき型の請求書は、必要事項を記入して目隠しシールを貼り、切手を貼ってポストに投函するだけで完了するごく簡単なものです。

しかし、この『はがきを1枚送る』というわずかな手続きを忘れるだけで、年間数万円の上乗せ給付を逃してしまいます。

 「よくわからないから」「自分は対象外だろう」と放置せず、届いた郵便物を確実にチェックして手続きを完了させることが、家計を守る最大の自衛策になります。

次では、同じ時期にご自宅へ届く可能性のある、もうひとつの重要書類「意向確認書」についても取り上げます。