NISAが始まって5年目、なぜ制度が若い世代に浸透しづらいのでしょうか。いくつかの煩雑な仕組みが、制度の活用を狭めているようです。いくつか上げてみると、一つは、口座開設までの煩雑さにあります。

税制優遇制度なので、口座開設時に本人確認書類やマイナンバー、住民票などの提出が必要になりますし、税務署などのへの手続き(金融機関が行います)もあり、通常の口座開設よりも時間がかかります。

二つめは、利益が出ていなければ非課税にならないということです。当然ですが、税金は利益に対して発生するため、利益が出ていないとこの制度のメリットがありません。また、非課税期間が決まっているため、その間に投資した金額よりも値下がりする可能性もあります。

特に一般NISAの場合、期間が5年と資産形成にしては短いため、メリットが積立NISA よりも少なくなる可能性があるかもしれません。

三つめは、配当金の受け取りが証券口座になることです。配当金の受け取り方法は、他にも郵便局での受け取りや銀行口座への振込と選択することができるのですが、非課税で受けとるためには、証券口座での受け取りに限定されます。配当金を受け取るためには、証券口座から銀行口座への振込の手続きが必要になります。

他にも証券口座との損益通算が出来ないことや非課税期間をすぎた場合の対処など、色々なことがNISA口座利用拡大の妨げになっているようです。

まとめ

積立NISAで積立の習慣をつけるか、一般NISAで値上がり益と配当金を非課税で受けとるか、迷うところかもしれませんが、長期の形成ということを考えると、売却も可能な積立NISAで、非課税期間を長く持つ方が良いかもしれませんね。