お盆で帰省した際、実家で「年金だけではやっぱり心もとない」という親の本音を耳にした、という方もいるのではないでしょうか。
2026年度は国民年金が+1.9%、厚生年金が+2.0%の増額改定となり、これで4年連続のプラス改定です。
ただし、物価上昇のペースを踏まえると、額面が増えても暮らしが楽になった実感は乏しいというのが実情です。
本記事では、2026年度の年金改定の中身と、働き方別に試算した受給額の実例を確認したうえで、老後の家計における「平均」と「実態」のギャップにも迫ります。
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2026年度は国民年金が月7万608円、厚生年金モデル世帯が月23万7279円に改定されたが、増額幅は物価上昇に追いつきにくい。
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老後の年金は、働き方の違いで受給額は月6万円台から17万円台まで差が出る。
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70歳代の貯蓄は平均2416万円でも中央値は1178万円にとどまる。
1. 2026年度、年金はいくら増えた? 国民年金・厚生年金の改定額
2026年度(令和8年度)の年金額は、国民年金(老齢基礎年金)は+1.9%、厚生年金(報酬比例部分)は+2.0%、それぞれ増額改定されています。
物価と賃金の伸びを踏まえた見直しで、増額は4年連続となりますが、日々の物価上昇のペースを考えると「増えた実感が乏しい」という声も少なくありません。
- 国民年金(老齢基礎年金・満額):月額7万608円(前年度比+1300円)
- 厚生年金(夫婦2人の標準的な世帯):月額23万7279円(前年度比+4495円)
- 年金生活者支援給付金:+3.2%の引き上げ
2026年度は国民年金が月額7万608円、厚生年金の標準的な夫婦世帯で月額23万7279円に改定されましたが、これはあくまで「平均的なモデル世帯」の数字です。
厚生年金の標準モデルは、月収換算45.5万円で40年間就業した夫と、専業主婦の妻という前提で算出されており、共働き世帯や単身世帯には必ずしも当てはまりません。
2. 年収610万円・40年勤務なら? 働き方で変わる年金受給額5パターン
では、より個人の実情に近い条件で試算すると、受給額はどう変わるのでしょうか。
現役時代のライフコース別受給額(月額)を比べると、次のような差が生まれます。
- 会社員生活が長い男性(厚生年金メイン):月額17万6793円
- 自営業・フリーランス等の男性(国民年金メイン):月額6万3513円
- バリバリ働いた女性(厚生年金メイン):月額13万4640円
- 自営業等の女性(国民年金メイン):月額6万1771円
- 専業主婦期間が長い女性(第3号被保険者中心):月額7万8249円
2.1 では平均で見るとどうか
個別のモデルだけでなく、実際の受給者全体の平均額を見ても、働き方や男女による差は表れています。
厚生労働省の調査によれば、厚生年金の平均受給月額は全体で約15万円(男性約17万円、女性約11万円)、国民年金の平均受給月額は約5.9万円となっています。
- 厚生年金の平均受給月額:約15万円(男性約17万円、女性約11万円。女性は月8万〜10万円の層に集中)
- 国民年金の平均受給月額:約5.9万円(令和6年度の満額は約6.8万円だが、未納・免除期間がある人も多く平均は下回る)
3. 監修者からのコメント
2026年度の年金額改定は、あくまで平均的なモデル世帯の数字であり、実際の受給額は人によって大きく異なります。
厚生労働省「令和6年簡易生命表」によれば、平均寿命は男性81.09歳、女性87.13歳で、65歳から受け取り始めると、平均でも15〜20年以上にわたって年金を受け取り続ける計算になります。
老齢年金は原則として生きている限り受け取れる「終身」の給付である点は、預貯金の取り崩しにはない強みです。
また、受給開始を66歳以降に遅らせる「繰下げ受給」を選ぶと、1カ月ごとに0.7%、最大75歳まで遅らせれば84%まで受給額を増やせる仕組みもあります。
まずは「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で、自分自身の見込み受給額と加入期間を確認し、繰下げも選択肢に入れながら、不足分をどう補うかを早めに考えておくことをおすすめします。


