6. 【元公務員が伝授】10月に「年金の手取り額」が減ることもあります
ここからは、元公務員として国保や後期高齢担当だった頃に見てきたことをお話しします。
10月は、手取りが増える人と減る人が同時に生まれる月でした。
6.1 10月から11月は「振込額が減った」という相談が増えました
後期高齢担当として窓口に立っていた頃、秋になると問い合わせが目に見えて増えました。
「先月まではこの金額ではなかった」という相談が10月から11月に集中したのを覚えています。
話を伺うと、前年に退職金を受け取っていた方、土地や建物を売却した方が多くを占めていました。
一時的であっても所得が大きくなれば、その額をもとに保険料が計算されます。仮徴収の間は低い額のままだったものが、本徴収から一気に反映されるわけです。
保険料が急に引き上げられたわけではなく、年度の後半にまとめて調整されているだけということが、実際には少なくありませんでした。
6.2 通知書が届く時期と振込に反映される時期は3カ月ほどずれます
保険料の決定通知書が手元に届くのは6月から7月ごろです。一方で、年金からの天引きに反映されるのは10月の支給分からになります。
このずれが、相談につながりやすい一番の原因だったと感じています。
6.3 納めすぎた保険料は還付請求で戻ってきます
仮徴収の合計が年額を超えていた場合、その差額は過誤納金として扱われます。
このときは自治体から還付通知書と還付請求書が届きます。必要事項を記入して返送すると、1カ月から2カ月ほどで振り込まれます。
ほかに未納の保険料があるときは、還付ではなく充当に回ることもあります。この場合は請求書が同封されず、充当の通知だけが届く自治体もあります。
気をつけたいのが時効です。還付を請求できる期間は原則2年ですので、届いた封筒をそのままにしないようにしましょう。
取り扱いは自治体によって違いがありますので、届いた書類の内容に迷ったときは担当窓口に確認してみてください。
7. 【確認方法】10月の「年金の手取り額」はどこで確かめられるか
振込額が気になったときに、何を見れば内訳がわかるのかを挙げていきます。
7.1 年金振込通知書で振込額と控除の内訳を見る
日本年金機構からは毎年6月に「年金振込通知書」が届きます。ここに年金額と控除される金額の内訳が記載されています。
年度の途中で振込額が変わる場合には、あらためて通知書が送られることがあります。郵便物は都度開封して確認しておきましょう。
7.2 自治体の保険料決定通知書で仮徴収と本徴収の額を照らす
国民健康保険料や後期高齢者医療保険料、介護保険料については、自治体から届く決定通知書に年額と各期の金額が載っています。
手元に見当たらない場合は、住んでいる自治体の担当窓口で内容を確認できます。計算のもとになった所得額についても、その場で説明を受けられます。
7.3 ねんきんネットで年金額そのものをたどる
額面や過去の支払記録については、日本年金機構のねんきんネットから見られます。
在職定時改定の対象になっている方は、改定後の金額がいくらになるのかを合わせて確かめておくとよいでしょう。
8. まとめにかえて
10月に年金の振込額が動く理由を2つに分けたうえで、年齢別の平均月額を見てきました。
10月15日に変わるのは差し引かれる金額であり、在職定時改定で増えた額面が口座に入るのは12月15日です。
同じ「増える」でも中身と時期が違いますので、切り分けて見ておくと通帳の数字を読み解きやすくなります。
平均月額はあくまで全国の目安です。加入期間や働き方によって金額は大きく変わりますので、自分の数字は通知書とねんきんネットで押さえておきましょう。
差し引かれている保険料に納得がいかないときは、住んでいる自治体の担当窓口に問い合わせてみてください。計算の根拠をひとつずつ説明してもらえます。
参考資料
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
- 厚生労働省「保険料(税)の特別徴収」
- 日本年金機構「令和4年4月から在職定時改定制度が導入されました」
- 日本年金機構「在職老齢年金制度が改正されました」
- 日本年金機構「年金額改定通知書・年金振込通知書」
太田 彩子