5. 【年金生活での株式投資】高配当株式と株主優待銘柄の「選び方」3つのポイント
配当金にしろ、株主優待にしろ、株式投資ですから注意点があります。「配当利回りが高い=良い銘柄」とも限りません。選ぶときは、次の3点を意識したいところです。
5.1 ①「利回りの高さ」だけで選ばない
配当利回りが極端に高いときは、株価が下がった結果として数字が高く見えているだけ、ということもあります。利回りの数字だけでなく、なぜ高いのかまで確認したいところです。会社の業績や過去の配当金の推移なども見ておくといいでしょう。
5.2 ②株主優待は「自分が使えるか」で価値をみる
優待は内容が魅力的でも、生活圏で使えなければ実質的な価値は下がります。ご自身が無理なく使えるかどうかで見極めましょう。まずはご自身が普段使うお店や生活用品、食べ物などから探してみるといいでしょう。
5.3 ③無理なく続けられる金額・分散で
1つの銘柄に資金を集中させると、値下がりや減配の影響を大きく受けます。無理のない金額で、複数に分けて持つことが、リスクを抑える基本です。
6. 知っておきたい「3つの注意点」
年金にプラスするつもりでも、投資である以上、注意したい落とし穴があります。
6.1 ①減配・無配(配当は業績次第)
配当は企業の業績によって減ったり、なくなったりすることがあります。配当予想はあくまで「予想」であり、確定した金額ではありません。
6.2 ②株主優待の改悪・廃止
優待の内容は変更されたり、廃止されたりすることがあります。優待を目当てにしていた場合、家計の前提が崩れてしまうこともあります。
6.3 ③元本割れ・税制上の注意
株価は変動し、購入時の金額を下回る(元本割れ)こともあります。また国税庁によると、NISA口座で生じた損失は、特定口座や一般口座で保有する上場株式等の利益と損益通算できず、繰越控除もできません。「非課税」の裏返しとして、損失が出たときの税制上のメリットはない点も押さえておきたいところです。
7. まとめにかえて
年金に配当・優待をプラスして家計を回す考え方は、シニアの暮らしと相性のよい面があります。一方で、減配・無配、優待の改悪・廃止、元本割れといった注意点もあります。
利回りの高さだけで選ばず、「自分が使えるか」「無理なく続けられるか」を軸に、新NISAの非課税メリットも生かしながら、“なくても困らない範囲”で検討するのも一つでしょう。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄や金融商品の購入・売却を助言・推奨するものではありません。投資はリスクを伴い、元本を下回る可能性があります。最終的な投資判断はご自身の責任で行いましょう。
8. 元証券会社社員の執筆者コメント
「年金+配当・優待」は、あくまで年金という土台があってこそ成り立つ考え方です。配当や優待は増減・変更があるものですから、生活費そのものを依存させないことが大切。非課税の新NISAをうまく使いつつ、無理のない範囲で取り入れていただければと思います。
参考資料
- 金融庁「新しいNISA(制度概要)」
- 国税庁「No.1535 NISA制度」
- 金融庁「新しいNISA よくある質問」
- 日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」
- 厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
- LIMO「8月14日は年金支給日。60歳〜89歳『厚生年金と国民年金の平均月額』を年齢別に一覧【2026年度・最新版】」
宮野 茉莉子
