連日の猛暑とお盆休みが重なるこの時期、帰省や旅行で交通費・レジャー費がかさんだという方も多いのではないでしょうか。

そこへ追い打ちをかけるのが、値上がりが続く食料品や光熱費です。家計の請求書に目を通すたび、「この先、年金だけで暮らしていけるのだろうか」と、漠然とした不安を覚える方も少なくないでしょう。

とりわけ女性は、結婚・出産・育児などのライフイベントを機に働き方が変わりやすく、それがそのまま将来受け取る年金額の差につながりやすいという特徴があります。

資産形成は取り組む時期が早いほど有利に働くため、まずは公的年金の現実を正しく知ることから始めましょう。

本記事では、公的年金制度の仕組みと、男女間で生じている受給額の格差について、最新データをもとに詳しく解説します。

厚生年金を「月15万円」以上受け取っている女性がどれくらいいるのかも、厚生労働省の統計から確認します。

記事後半では、いま見直しの議論が進む「第3号被保険者制度」の行方について、当事者の声も交えながら考えていきましょう。

※金額などのデータはこちらの記事を引用しています。

【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説

1. この記事の3つのポイント

  •  女性が受け取る厚生年金の平均月額は11万1413円と、全体の平均額より低い水準です。
  •  月額15万円以上の厚生年金を受給している女性は、全体の12.3%に過ぎません。
  •  老後に向けて、ご自身の年金見込額を把握し、早期から資産形成を始めることが重要です。

2. 日本の公的年金制度、その基本構造とは

日本の公的年金は2階建て構造1/5

日本の公的年金は2階建ての構造

出所:日本年金機構「公的年金制度の種類と加入する制度」などをもとにLIMO編集部作成

はじめに、日本の公的年金制度がどのような仕組みになっているか、基本を整理します。日本の年金制度は「国民年金」と「厚生年金」から成る、2階建ての構造です。

2.1 【1階部分】国民年金(基礎年金)の概要

  • 加入対象:原則として日本国内に居住する20歳以上60歳未満のすべての人
  • 保険料:国民年金保険料は所得にかかわらず一律ですが、年度ごとに見直されます(2026年度は月額1万7920円)
  • 受給額:保険料を40年間(480カ月)すべて納付すると、満額を受け取ることができます(2026年度は月額7万608円)

国民年金の加入者は第1号から第3号までの被保険者に区分され、このうち第2号被保険者が次に説明する厚生年金にも加入します。

厚生年金の保険料を納めている場合、国民年金保険料を個別に支払う必要はありません。

同様に、第3号被保険者についても、個人で保険料を納める義務はありません。

2.2 【2階部分】厚生年金の概要

  • 加入対象:会社員や公務員のほか、パートタイマーなどで特定適用事業所(※1)に勤務し、一定の要件を満たす人が国民年金に上乗せして加入
  • 保険料:収入に応じて厚生年金保険料が変動します。ただし、保険料計算の基となる収入には上限が設けられています(※2)
  • 受給額:加入していた期間や納付した保険料額によって個人差が生じます

※1 特定事業所:1年のうち6カ月以上、適用事業所における厚生年金保険の被保険者(短時間労働者を除く、共済組合員を含む)の総数が51人以上となる見込みの企業などを指します。

※2 厚生年金の保険料額:標準報酬月額(上限65万円)と標準賞与額(上限150万円)に保険料率を乗じて算出されます。

将来支給される年金額は、現役時代の働き方、つまり国民年金のみの加入期間と厚生年金の加入期間の長さによって大きく変動します。

この差が生まれる理由の一つは、保険料と年金額の決定方法の違いにあります。

国民年金の保険料は一律ですが、厚生年金は給与や賞与といった報酬額に基づいて保険料が決まります。

このため、厚生年金は加入期間の長さに加えて収入額も将来の受給額に影響し、個人差が生まれる仕組みになっています。