最近の物価高や将来の社会保障に対する不安から、ご自身の資産形成について見直しを始めている方はいるのではないでしょうか。

筆者はファイナンシャルアドバイザーですが、実際にお客様から「貯蓄だけでは不安だが、何から始めればいいかわからない」「収入は増えたのに、税金が引かれて手元にお金が残らない」といった切実な悩みをよく耳にします。大切なのは、周りの情報に焦らされることなく、ご自身のライフスタイルに合った正しい知識を身につけることです。

今回は、日本の富裕層の実態や「お金持ち」が多く住む街のランキングなどの最新データを紐解きながら、資産形成を成功に導くための考え方や、初心者が陥りがちな「節税の落とし穴」について、初心者の方にもわかりやすく解説していきます。

なお、富裕層の定義や年代別・年収別の資産データに関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。

【最新データ】日本の富裕層の割合は?年代別の平均貯蓄額と年収別データから見る資産形成の最適解
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資産1億円以上の富裕層に共通する3つの特徴!お金が自然と貯まる人の思考と行動【元FP会社職員監修】
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1. 日本の「高所得者」はどこにいる?「1人あたり平均所得」トップ10の街

日本の高所得者は、地理的に極めて偏った分布を見せています。総務省「令和7年度 市町村税課税状況等の調」をもとに、住民税の所得割納税義務者数で割って算出した「1人あたり平均所得」のトップ10を見てみましょう。

日本の「お金持ちの街」ランキング1/2

日本の「お金持ちの街」ランキング

出所:総務省「令和7年度 市町村税課税状況等の調」をもとにLIMO編集部作成

  • 1位 港区(東京都):1190万円(全国平均の5倍超)
  • 2位 渋谷区(東京都):895万円
  • 3位 千代田区(東京都):885万円
  • 4位 猿払村(北海道):591万円
  • 5位 中央区(東京都):589万円
  • 6位 文京区(東京都):517万円
  • 7位 目黒区(東京都):514万円
  • 8位 芦屋市(兵庫県):494万円
  • 9位 新宿区(東京都):458万円
  • 10位 世田谷区(東京都):446万円
  • (参考)全国平均:231万円

東京の都心3区(港区・渋谷区・千代田区)が突出した存在感を放つ一方、関西屈指の高級住宅街として知られる兵庫県芦屋市も安定してランクインしています。興味深いのは、北海道猿払村などの人口数千人規模の村が上位に食い込んでいる点です。これは、天然ホタテ漁業といった特定産業の高収益が反映された結果とみられます。

なお、このデータは住民全体の平均ではなく、住民税を納めている方に限った平均(非課税者は含まれない)である点には注意が必要ですが、一部の層に所得が集中している構造が鮮明に表れています。

2. ”純”金融資産1億円以上の「富裕層」はどれくらいいるのか

富裕層の定義と割合については、LIMOの記事「資産1億円以上の富裕層に共通する3つの特徴!お金が自然と貯まる人の思考と行動【元FP会社職員監修】」から要点を引用して確認しておきましょう。

株式会社野村総合研究所のレポートによると、富裕層は世帯の純金融資産保有額が1億円以上5億円未満、超富裕層は5億円以上と定義されます。全体に占める割合は富裕層が約2.75%、超富裕層が約0.21%。2023年時点の世帯数は富裕層153万5000世帯、超富裕層11万8000世帯で、富裕層・超富裕層の世帯数は2005年以降で最多を更新しました。

出所:資産1億円以上の富裕層に共通する3つの特徴!お金が自然と貯まる人の思考と行動【元FP会社職員監修】

2.1 「富裕層+超富裕層」165万世帯以上!資産額と世帯数の推移

「超富裕層」と「富裕層」を合わせた、純金融資産1億円以上を持つ資産家たちについて、世帯数や資産総額の推移をみていきます。

  • 2005年:86万5000世帯・213兆円
  • 2007年:90万3000世帯・254兆円
  • 2009年:84万5000世帯・195兆円
  • 2011年:81万世帯・188兆円
  • 2013年:100万7000世帯・241兆円
  • 2015年:121万7000世帯・272兆円
  • 2017年:126万7000世帯・299兆円
  • 2019年:132万7000世帯・333兆円
  • 2021年:148万5000世帯・364兆円
  • 2023年:165万3000世帯・469兆円

富裕層と超富裕層の世帯数と資産総額は、世界金融危機や東日本大震災などの影響を受けて一時的に落ち込んだものの、長期的に見ると増加傾向にあります。

とくに2021年から2023年にかけての伸びは顕著です。この背景には、株価上昇や円安による資産価値の増大などがあったことが、同調査レポートでは指摘されています。

2.2 【一覧表】富裕層の世帯数と純金融資産保有規模(2023年)

  • 超富裕層(5億円以上):11万8000世帯・135兆円
  • 富裕層(1億円以上5億円未満):153万5000世帯・334兆円
  • 準富裕層(5000万円以上1億円未満):403万9000世帯・333兆円
  • アッパーマス層(3000万円以上5000万円未満):576万5000世帯・282兆円
  • マス層(3000万円未満):4424万7000世帯・711兆円

出所:資産1億円以上の富裕層に共通する3つの特徴!お金が自然と貯まる人の思考と行動【元FP会社職員監修】

なお、富裕層と超富裕層が保有する資産の合計は、前回調査より約3割ほど増加し469兆円に。全世帯の保有資産額の26.1%が、この2つの層に集中していることが分かります。