年金生活者支援給付金は、公的年金と同じく偶数月に振り込まれます。次の支払日は10月15日。2026年度は前年度から3.2%引き上げられ、その増額分は6月支給分からすでに反映されています。
この給付金には「老齢」「障害」「遺族」の3種類があり、それぞれに支給要件が定められています。自分が対象になるかどうかは、受け取っている基礎年金の種類と、前年の所得で決まります。
この記事では、2026年度の給付額と3種類それぞれの支給要件を整理したうえで、年額や1回あたりの支給額に直すといくらになるのかも試算しました。
なお、年金生活者支援給付金の制度内容や年金の平均受給額に関する詳しい解説は、下記の記事より一部を引用・参照しています。本文中の引用部分は引用ブロックで示しています。
- 2026年度の給付基準額は月5620円(前年度比3.2%増)。障害1級のみ月7025円
- 老齢の所得基準は80万9000円以下だが、障害・遺族は479万4000円以下と幅が広い
- 年額に直すと6万7440円、障害1級なら8万4300円。要件を満たしても請求しないと受け取れない
1. 2026年度の年金生活者支援給付金、いくら受け取れるのか
年金生活者支援給付金は、公的年金等の収入金額やその他の所得が一定基準に満たない場合に受け取れる給付金です。
老齢年金、障害年金、遺族年金のそれぞれに給付金が設けられており、2カ月に一度、公的年金に上乗せして支給されます。給付額は公的年金と同様に、年度ごとに見直しがおこなわれます。
1.1 2026年度の給付額は前年度から3.2%の引き上げ
2026年度の年金生活者支援給付金は、前年度より3.2%の引き上げが決定しており、6月支給分の「4月・5月分」から新しい額が適用されています。
各給付金の2026年度の月額は、次のとおりです。
- 老齢年金生活者支援給付金(月額):5620円(※基準額)
- 障害年金生活者支援給付金(月額):1級7025円・2級5620円
- 遺族年金生活者支援給付金(月額):5620円
出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
障害1級だけが7025円と高く、それ以外は5620円で横並びです。なお老齢年金生活者支援給付金については、上記はあくまで基準額であり、実際の給付額は保険料納付済期間などをもとに計算されます。
2. 【試算】年額と「1回あたりの振込額」に直すといくらになるか
月額で示されると小さく見えますが、給付金は2カ月分ずつまとめて振り込まれ、それが1年続きます。実際に手元に入る単位で計算し直してみましょう。
2.1 2026年度・年金生活者支援給付金の年額と1回あたりの振込額
- 老齢(基準額満額)・障害2級・遺族:月5620円 → 年6万7440円/1回あたり(2カ月分)1万1240円
- 障害1級:月7025円 → 年8万4300円/1回あたり(2カ月分)1万4050円
障害1級と2級の差は月1405円。年間では1万6860円の違いになります。
1級の額は基準額のちょうど1.25倍という関係です。
年6万7440円という金額は、年金だけで暮らす世帯にとって小さくありません。
たとえば2カ月ごとに1万1240円が年金とは別に振り込まれるということは、その2カ月間の食費や光熱費の一部をまかなえる水準です。
ただし、老齢の5620円は「保険料を480カ月すべて納めた場合」の基準額です。納付済月数が少なければ、その分だけ按分されて減ります。
一方で、免除を受けていた期間は別枠で上乗せされます。全額免除・4分の3免除・半額免除の期間分は月1万1768円と、納付済期間分のおよそ2倍の単価で計算されるためです。
たとえば納付済期間が300月、全額免除期間が180月の方なら、合計は月7926円となり基準額を上回ります。
障害・遺族の給付金が納付月数に左右されないのとは、この点が異なります。
なお遺族の給付金は、2人以上の子が遺族基礎年金を受け取っている場合、5620円を子の人数で割った額がそれぞれに支払われます。
3. 3種類の給付金、それぞれの支給要件を確認する
「老齢」「障害」「遺族」の3種類には、それぞれ別の支給要件が定められています。一つひとつ整理していきましょう。
3.1 老齢年金生活者支援給付金の支給要件
老齢年金生活者支援給付金の対象となるのは、下記の支給要件をすべて満たす方です。
- 65歳以上の老齢基礎年金の受給者
- 同一世帯の全員が市町村民税非課税
- 前年の公的年金等の収入金額(※1)とその他の所得との合計額が昭和31年4月2日以後に生まれの方は80万9000円以下、昭和31年4月1日以前に生まれの方は80万6700円以下(※2)
出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
※1 障害年金・遺族年金等の非課税収入は除く
※2 昭和31年4月2日以後に生まれた方で80万9000円を超え90万9000円以下である方、昭和31年4月1日以前に生まれた方で80万6700円を超え90万6700円以下である方には「補足的老齢年金生活者支援給付金」が支給される
3つのうち、実務上ひっかかりやすいのが2つ目です。本人の所得が低くても、同じ世帯に課税されている家族が1人でもいれば対象から外れます。
3.2 障害年金生活者支援給付金の支給要件
- 障害基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
※ 障害年金等の非課税収入は除く
老齢との大きな違いは、世帯の課税状況が要件に入っていない点と、所得の基準が479万4000円以下と広く設定されている点です。
3.3 遺族年金生活者支援給付金の支給要件
- 遺族基礎年金の受給者である
- 前年の所得(※)が479万4000円以下である(扶養親族等の数に応じて増額される)
出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
※ 遺族年金等の非課税収入は除く
要件は障害年金生活者支援給付金と同じ形です。なお、障害年金や遺族年金そのものは非課税収入にあたるため、所得の判定には含まれません。
いずれの給付金も、前年の所得額が支給要件に関わっています。そして受給要件を満たしても、自動では支給されません。受け取るには「請求手続き」が必要です。
4. 請求手続きは「届いた書類を返送する」が基本
請求手続きの流れについては、LIMOの記事「年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説」から要点を引用して確認しておきましょう。
支給対象と判断された方には、日本年金機構から請求に関する書類が送付されます。基本的には、その書類に必要事項を記入して返送するだけで手続きは完了します。これから老齢年金の受給を開始する方には、受給が始まる3カ月前に届く「年金請求書(事前送付用)」に「年金生活者支援給付金請求書」が同封され(緑色の封筒)、すでに年金を受給中の方にはハガキ形式の請求書が届きます(薄緑色の封筒)。
出所:年金生活者支援給付金とは?2026年最新の対象者・いくらもらえるか・ハガキが届かない理由を徹底解説
ハガキ型の請求書が届いた場合は、郵送だけでなく電子申請でも提出できます。スマートフォンとマイナンバーカードがあれば、その場で手続きを終えられます。
5. 参考:厚生年金・国民年金の平均年金月額
給付金の位置づけをつかむために、公的年金そのものの水準も確認しておきましょう。平均的な受給額は、LIMOの記事「【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?」から引用します。いずれも厚生労働省年金局「令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」が出所です。
5.1 厚生年金の平均年金月額(国民年金の金額を含む)
- 〈全体〉平均年金月額:15万289円
- 〈男性〉平均年金月額:16万9967円
- 〈女性〉平均年金月額:11万1413円
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
5.2 国民年金の平均年金月額
- 〈全体〉平均年金月額:5万9310円
- 〈男性〉平均年金月額:6万1595円
- 〈女性〉平均年金月額:5万7582円
出所:【2026年最新・年金早見表】厚生年金・国民年金はいくらもらえる?平均受給額一覧と手取りのリアル!社会保険料・税金が引かれる「天引き」まで徹底解説
年金の受給額は、これまでの加入状況によって決まります。人によって大きな差が生じる点には注意が必要です。給付金の月5620円という金額も、こうした年金水準のうえに乗る補完として設計されていることがわかります。


