電子部品の株価は、しばしば市況の波とともに大きく揺れる。積層セラミックコンデンサ大手の太陽誘電(6976)も、その典型だ。

株価はこのところ激しく上下し、決算を受けて再び動いた。直近1カ月の値動きと決算の中身から、この会社の回復の実力を読み解いていきたい。

※本記事中の株価は、過去の株式分割の影響を調整した値を使用しています。

この記事の3つのポイント

  •  2027年3月期1Qは営業利益53%増、通期予想を大幅に上方修正
  •  情報インフラ・産業機器向けの需要が牽引、主力はMLCC
  •  株価はサイクルと地合いで乱高下、業績は回復の途上

1カ月で4割超の値幅、当日は反発

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出所:各種資料をもとに筆者作成

出所:各種資料をもとに筆者作成

太陽誘電の株価は、直近1カ月で激しく上下してきた。終値は7月30日の8,723円を安値に、7月下旬には12,535円をつける場面もあった。高値と安値の差は4割を超え、値動きの荒さが際立つ。

直近の8月12日は10,265円と、前営業日から7%あまり上昇している。電子部品株らしく、半導体市況をめぐる思惑で振れやすい銘柄だ。

直近時点のPERは44.73倍、PBRは3.63倍となっている。PERの高さは、利益がまだ回復の途上にあることを映している。

2027年3月期1Qは営業利益53%増、通期を大幅上方修正

荒い値動きの一方で、決算は明確な回復を示した。2027年3月期1Qの売上高は939億円で前年同期比10.7%増、営業利益は48億円で同53.3%増、親会社株主に帰属する四半期純利益は25億円と、前年同期の純損失から黒字に転じた。

会社によれば、情報インフラ・産業機器向けの売上が増加したことや、為替の影響などで、各段階の利益が増えた。主力の積層セラミックコンデンサを中心に、需要が持ち直している。

さらに会社は、通期の業績予想も大きく引き上げた。営業利益予想は従来の300億円から450億円へと上方修正している。株価が決算の前後で大きく動いた背景には、この大幅な上方修正がある。

筆者コメント

今回の決算は、太陽誘電が業績回復の局面に入ったことを、はっきりと示している。

1Qの増益に加え、通期予想を営業利益で5割も引き上げたことは、需要の持ち直しへの自信の表れだろう。

ただ、株価の激しい値動きが物語るように、電子部品は市況の波が大きい世界だ。回復の勢いが本物かどうかは、次の四半期以降の数字で確かめる必要がある。上方修正の勢いだけで先走るのは禁物だと感じている。